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胸張って言える「これが私のスタイル」 服部真夕が“左アプローチ”でつかんだ涙の復活V

胸張って言える「これが私のスタイル」 服部真夕が“左アプローチ”でつかんだ涙の復活V

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2021年7月2日 16時37分

レギュラーツアー5勝を誇る実力者の主戦場が、下部ツアーに移ったのは2019年から。その前年に、07年のデビュー以来10年間守り続けたシードから陥落したからだ。一番の原因になったのが『アプローチイップス』。グリーン周りの悩みは年々大きくなり、一時はユーティリティなどで寄せる苦肉の策もとっていたほどだ。そんななか、試行錯誤のすえにたどり着いたのが“左打ち”だった。

キャディからのアドバイスもあり、19年末に自らゴルフショップで左用のウェッジを購入。「やってみたら思いのほか打てて、こういう選択肢もあるのかな」と、そこから左右で練習を続けた。そして昨年6月に行われた「アース・モンダミンカップ」で、初めて左用のウェッジをツアーで握り、それ以降この1本が「無くては不安で仕方がない」というものになった。

優勝を決めた最終日もティショットでグリーンを外した3番、8番の両パー3で、巧みな左打ちアプローチを繰り出した。3番は20ヤードから3メートル、そして8番では20ヤードを1メートルまで寄せてパーセーブ。さらに大会2日目には、左にかえてから初となるチップインバーディも奪った。

取り組みの最中には『右で直さないと意味がない』など否定的な考えを耳にすることもあったが、それでも左アプローチを磨き続けた。「これが私のスタイル。それで勝ったんだから文句ないでしょ」と、これでようやく胸を張って言える。「トラブルショットの時のために、左利き用のクラブを1本入れておくとすごく便利ですよ」と笑う余裕も今はある。

さらにこのアプローチイップスが、「寄せないと」というプレッシャーを生み、持ち味のショットにも悪影響を及ぼした時期もあった。「ドライバーもアイアンも打つのが怖い」という“ショットイップス”に陥った時期もあったが、これも昨年9月から大江香織に指導を受けはじめたことで、克服しつつある。「今はフィニッシュをとってない。フルスイングすると上体が浮き上がってしまいので」。スイングも改造し、戦う準備は整いつつある。

もちろん今の目標は「レギュラー復帰」だ。このステップ史上初の4日間大会を制したことで、優勝賞金720万円を加算。賞金ランク3位(886万7142円)に浮上したことで、ランク1、2位に与えられる、来季のレギュラーツアー前半戦出場権も見えてきた。「4日間で勝てたのは、ほんとうに自信になりますね」。スタイルチェンジした服部を、上の舞台で見る日も近そうだ。(文・間宮輝憲)

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