だが昨年、新型コロナウイルスによって試合に出られない日々を過ごすなかで、“ツアープロを辞める”という考えも頭に浮かんだという。「試合がないなかで、どう生活すればいいんだろうと思った。レッスンやプロアマの企画など、他の仕事も考えていたところでの優勝でした」。そんな迷いを抱いていたなかでの優勝だった。
だが、こんな目標もある。「ママでも優勝できることを伝えられたことがうれしい。米国では当たり前のこと。子供を産んでもプレーできる環境作りができれば」。この思いを実現するため、今後もプレーを続ける。
「今、黄金世代と言われている子たちが生まれた頃(98〜99年)に、私はプロになっていました。何歳でもできるスポーツということを知ってもらいたいですね」。そう言って、いつも柔和な表情をさらに崩した。自分のためだけではなく、家族、そして女子ゴルフ界にとっても、この1勝の価値は大きい。(文・間宮輝憲)
