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松山英樹が語る“ジュニア育成論” 選手と親に伝えたいこと「結果が出なくても…」

松山英樹のジュニア時代、プロを目指すジュニアゴルファーや、その成長を支える親に伝えたいことをALBA Netの単独インタビューに応じ、自身の経験と想いを語った。

所属 ALBA Net編集部
高木 彩音 / Ayane Takagi

配信日時:2026年1月3日 12時00分

松山英樹がインタビューで語るジュニア育成への助言
松山英樹がインタビューで語るジュニア育成への助言 (撮影:鈴木祥)

プロゴルファーとして世界の第一線を走り続ける松山英樹。2013年から“世界最高峰の舞台”である米国男子ツアーを主戦場とし、通算11勝を挙げている。そんな松山のジュニア時代はどのようなものだったのか。そして現在、プロを目指すジュニアゴルファーや、その成長を支える親に伝えたいこととは何か。ALBA Netのインタビューで、自身の経験と想いを語った。(取材・構成/高木彩音)

【連続写真】貴重!アマチュア時代の松山英樹のスイング


「プロになるために何かをやっていたという感じはなく、身近なライバルがいたり、その子に負けたくないとか、中学校だったら、高校生に上がった時に高校生のみんな上手いなとか。高校から大学に上がった時はレベルが全然違うんだなとか。その場、その場のレベルが上がっていくにつれて、そこで“負けたくない”っていう気持ちで頑張っていました」

これが、“世界の松山”を作り上げた礎だ。その原風景は、幼少期から腕を磨いた、父・幹男さんが営むゴルフ練習場にある。著者がその練習場を2023年に訪れた際、幼少期の松山が六畳一間に造られたグリーンでパター練習をする写真が飾られていたのだが、その写真には、幹男さんの言葉として次の一文が添えられている。

『3歳半で素振りを始め、5歳になった頃には専用のクラブでフォームを意識した練習を行っていました。タイガー・ウッズが優勝した1997年のマスターズを親子でテレビ観戦し、いつか自分がこの大会に出場し、優勝することが彼の目標を明確になったことを今でも覚えています』(一部、原文ママ)

松山英樹が語る、自身のジュニア時代とは?

松山英樹が語る、自身のジュニア時代とは? (撮影:鈴木祥)

幹男さんにゴルフを始めるかどうかを問われ、「やる」と答えたことが、すべての始まりだった。その後、「父親がいろいろ造ってくれて、やり始めました」と練習環境が整えられた。六畳一間のパッティンググリーンも、その象徴だ。

そんな松山に、強烈な印象を残した出来事がある。「(プロゴルファーで)初めて会ったのが青木(功)さんで、そこから憧れというか、青木さんにショットだったりアプローチだったりを見せてもらえて、『すごいな…』って、感動したのを覚えています」。国内ツアー通算51勝を誇るレジェンドが、少年の目標になっていった。

中学は、当初、地元・愛媛県内の公立校に進学したが、高知県にある明徳義塾中のゴルフ部に入るため、中学2年時に親元を離れて編入。高校卒業まで過ごした。その後は名門・東北福祉大へ進学。JGAナショナルチームの一員としても存在感を示し、2011年、12年の「日本学生ゴルフ選手権競技」で連覇を達成している。ゴルフ漬けの時間を過ごし、世界を見据える選手としての土台を築いていった。

ゴルフを辞めたいと思った時期もあった。「理由は思い出せないですけど、そう思った時期はありました」。迷いや葛藤があったことを素直に明かす。それでも歩みを止めなかった背景には、「身近なライバル」の存在が大きかった。冒頭の思いが、まさに原動力だ。

松山英樹の学生時代のライバルは藤本佳則だった

松山英樹の学生時代のライバルは藤本佳則だった (撮影:鈴木祥)

決して、一人で強くなったわけではない。「小さい頃は四国の子だったり、大学に上がったときは藤本佳則さんを意識していました」。学生時代、ライバルとして特に意識していたのは東北福祉大の先輩で、国内ツアー通算2勝の藤本佳則。パワーだけでなく、小技を含めた総合力の高さに、大きな刺激を受けていたという。

それゆえ、「同世代のライバルであったり、友達であったりというのを意識して、そこで負けないように努力をしていくことは大事です」という言葉には熱が帯びる。目標を明確にし、自身の限界を引き上げてくれるライバルは、方向性のある練習へと導いてくれる存在。多感な時期に、この切磋琢磨は、さらなる効果を生み出すことを感じた。

『ジュニア時代に練習をするうえで意識すべきことは?』という問いにも、「皆さんの時間がどれぐらいあるのかはわからないですけど、その時間のある範囲で、どれぐらい、何をしなくてはいけないかっていうのを明確にして練習したほうがいいです」と答える。ただ闇雲に練習するのではなく、限られた時間のなかで“今何が必要なのか、それをどれだけやるか”を明確にすることが大事。素振りひとつ取っても量だけでなく「せっかくやるなら質を大事にしていかないといけない」と話した。

昨年、「世界に挑戦できるチャンスを日本のアマチュアにも提供したい」という思いから、日本開催の米国男子ツアー「ベイカレントクラシック」において、本戦出場権をかけて争うアマチュア向け予選会「Hideki Matsuyama Amateur Challenge Presented by LEXUS」を開催した。さらにオフシーズンには、ジュニア向けイベントや、昨年12月で第9回目を迎えたアマチュアとプロの合同大会「ヒデキカップ」も実施。アマチュアゴルファーが自ら道を切り開いていくための環境づくりなど、後進育成への動きも印象的だ。

最後に、松山からジュニアゴルファーを支える親に向けて伝えたいことを尋ねると、「結果が出なくても、焦らず、その子のタイミングっていうのはあると思うので、そのきっかけを与えて、ただひたすら待つことがいいと思います。見守ってあげることは大事です」と、話す。急がず、押しつけず、ただ信じる。自身の経験を通して、松山は“寄り添うサポート”こそが、ジュニアゴルファーの未来を育てると示した。

こういった世界トッププレーヤーの考えが、ジュニアゴルファー、そしてそれを支える家族のもとに届くことを願いたい。

松山英樹が語る、ジュニア育成への想い

松山英樹が語る、ジュニア育成への想い (撮影:鈴木祥)

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