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海外生活で受けるサポートに“感謝” 米シニアも残り4試合、プレーオフシリーズへの想いとは…【藤田寛之の“人生付録記”】

昨年の「全米シニアオープン」で2位に入り、米シニア「PGAツアー・チャンピオンズ」のプレーオフシリーズに進出。2戦目で3位に入りポイントを上積みし、今季のフルシード権を得た藤田寛之。この第二の人生とも言える挑戦を『人生の付録』と表す。そんな米戦記を追っていく。

所属 ALBA Net編集部
高木 彩音 / Ayane Takagi

配信日時:2025年9月14日 14時00分

藤田寛之が明かすプレーオフシリーズへの想い(写真:本人提供)
藤田寛之が明かすプレーオフシリーズへの想い(写真:本人提供)

昨年の「全米シニアオープン」で2位に入り、米シニア「PGAツアー・チャンピオンズ」のプレーオフシリーズに進出。2戦目で3位に入りポイントを上積みし、今季のフルシード権を得た藤田寛之。この第二の人生とも言える挑戦を『人生の付録』と表す。そんな米戦記を追っていく。(取材/構成・高木彩音)

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みなさん、こんにちは。藤田寛之です。アメリカに来てから早くも20試合が終わりました。こちらにきてからゴルフの調子が思うように上がらず、納得のいく結果を残せていない試合が続いていましたが、ここ3試合はやっとトータルアンダーパーで終え、少しずつ手応えをつかみ始めているところです。

今さらですけどね。もうシーズンが終わろうとしているのに…。1年目なので分からないことも多かったですが、やっと、生活やコースなど、こちらの環境に慣れてきたことが大きい。初めてのコースは、ピン位置やコース全体の特徴をつかむのが難しいですから。『ここはこういうところなんだ』と初見の難しさを感じながら、学びながら回っています。2年目はこうしたい、と思える部分も見えてきています。

前回の試合では、初日は3アンダーで、久しぶりにボギーよりもバーディの数が多いゴルフができました。これまで海外に来てからはオーバーパーを重ねることが多く、その原因は主にショットにありました。ただ、前週のオープンウィークでいろいろ考えて調整したことが良い形につながって、チャンスをつくることができたと思います。

2日目、3日目は少しずつ崩れてきてしまい、ボールも曲がり始めてバーディとボギーのバランスがギリギリになりました。それでも「最低でもアンダーで終えたい」という思いを持って臨み、少しずつそうしたゴルフができるようになってきたと感じています。

ショットも良くなっている実感はありましたが、今週に入ってからはあまり良くなくて。プロアマでも全然当たらない感覚になってしまって…。試合をやっていると、イメージが崩れて難しい部分も改めて感じています。ここ数試合は30位前後をウロウロしていますが、最低でもそのレベルのゴルフをして、トップ10に入れるような内容を目指していきたいです。

(写真:本人提供)

(写真:本人提供)

しかし、移動はまだ慣れませんね…。飛行機の遅れなど日常茶飯事…(笑)。朝に出発して、その日の遅い時間に到着することもあります。毎回、国際線に乗っているのかなと思うぐらい。飛行機に乗っている時間も長いので、最近はネットフリックスを見ています。みなさん、なにかおすすめはありますか?(笑)。僕は海外映画をよく見ているのですが、最近は韓国史劇(サグク)映画などを見ていますね。

そんな移動時間を過ごしています。基本的に月曜日に移動、順調に行けば火曜日から練習やプロアマとなり、金曜日から試合となります。プロアマでは、言葉の壁を感じることもあって、言葉が通じないと会話が途切れがちです。頑張って会話しようとしていますが、「きょういい天気だね」みたいな感じで終わる時も。単語だけでも、相手が理解してくれようとしてくれるのですが、これはプロアマだからわかってくれることで、生活の中では単語だけ並べても絶対に拾ってくれない。

プロアマは英語に触れられる良い機会。“ネイティブ英会話の無料レッスンを受けられている”と思えます。普通はお金を払って、こういったネイティブを聞いて勉強しますものね。そういう意味では、とてもありがたい環境です。会話がもう少しできたら楽しませることも、僕も楽しめると思うので、そこも徐々に頑張りたいですね。

記念撮影をする藤田寛之(写真:本人提供)

記念撮影をする藤田寛之(写真:本人提供)

アマチュアのショットを見守る藤田寛之(右)(写真:本人提供)

アマチュアのショットを見守る藤田寛之(右)(写真:本人提供)

現地の方と会話を交わす藤田寛之(右)(写真:本人提供)

現地の方と会話を交わす藤田寛之(右)(写真:本人提供)

そして、オープンウィークでは、車の提供をしてくださることになった北米トヨタ本社(テキサス州)へごあいさつに行き、そのときにレクサスRXを受け取りました。海外生活でこういったサポートをしていただけることは、とても大きいですし、感謝の気持ちしかありません。また、社長さんには練習場所としてゴルフ場を紹介いただき、2カ月前から素晴らしい環境で練習させてもらっています。このご縁に感謝、感謝です。身に染みる想いです…。

藤田寛之(右)とトヨタモーターノースアメリカ株式会社 取締役社長兼CEO・小川哲男氏(写真:本人提供)

藤田寛之(右)とトヨタモーターノースアメリカ株式会社 取締役社長兼CEO・小川哲男氏(写真:本人提供)

さて、レギュラーシーズンは、最終戦の「SAS選手権」まで、今週の「サンフォードインターナショナル」を含め残り4試合となりました。最終戦が終わると、ポイントランキング上位者だけが出場できるプレーオフシリーズが始まります。その舞台に立つことをみなさんも期待してくださっていると思いますし、僕としても、もちろんそこ(プレーオフ)に出たい気持ちはあります。

ただ、これまでの自分や現状のゴルフを考えると、もし本当にその力があるなら、とっくに入っているはず。気持ちだけでどうにかなるものでもないのが現実です。だから大事なのは、各試合でトップ10に入れるようなショットを打てること。それが一番大事です。毎日、3アンダーを出せるようなゴルフに持っていければ、調子が良ければ自然とポジションも上がっていく。

数字や順位ばかり考えても仕方がないので、『自分のゴルフをどう良くするか』を常に考えています。どうしたらピンに絡むボールを打てるのか、もっとチャンスを増やせるのか、なぜミスが多いのか――そういうことですね。それがうまくいけば、もっと上に行けるんでしょうけど、今の現状では、これまで稼いだ額や残り試合を考えても、あのラインに到達するのはなかなか厳しいと思います。ただ、去年もメジャー(全米シニアオープン)で2位に入って『シードいけるんじゃないか』なんて言われたけど、それは分からない世界です。

結局、自分が考えるのは“一試合”、“その日のスコア”、“目の前の一打”、“一日のラウンド”。それを積み重ねないとダメなんです。いまはそれがなかなかできなくて『なんでだろう』と思うことも多いですが、そこをしっかり整えたい。順位は二の次とし、内容にこだわりたい。昔からこの考えでやってきています。もちろん結果も欲しいですが、順位より自分のゴルフの中身を大事にしていきます。

若手が世界の舞台で活躍されていることは本当に刺激を受けます。みなさんに少しでもいいニュースを届けるために僕も頑張りますので、残りのシーズンも応援よろしくお願いいたします。

(写真:本人提供)

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