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「金メダルを…その気持ちしかなかった」頭に残っている丸山茂樹監督からの言葉【松山英樹インタビュー・後編】

2024年シーズンを終えた松山英樹が、2勝を挙げ、パリ五輪では銅メダルを獲得した一年をALBA Netのインタビューで振り返った。全2回でお届けする。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2024年12月26日 12時00分

来年も“ツアーNo.1”を目指す戦いに挑んでいく
来年も“ツアーNo.1”を目指す戦いに挑んでいく (撮影:岩本芳弘)

2月の「ジェネシス招待」、そして8月のプレーオフシリーズ「フェデックス・セントジュード選手権」とシーズン2勝。夏には「パリ五輪」で日本男子ゴルフ界初のメダルとなる銅を獲得した松山英樹は、この一年をどう振り返り、また来年をどのように位置づけているのか? 本人へのインタビューで、その“想い”に迫る。(取材/高桑均、構成/間宮輝憲)

【動画】松山英樹直伝の“3分間レッスン”シリーズ



--「全英オープン」でメジャーも終わり、いよいよパリ五輪を迎えました

「全英が終わって、そこでの結果が悪かった(66位タイ)し、もう頭は五輪に切り替わっていました。そこでメダルを獲得することが一番の目標。もちろん金メダルを目指しましたけど、頭がそこ(全英終わり)でスパッと切り替わってくれたのが良かったかなと思います」

--前回の東京五輪は無観客開催でした。パリ五輪との雰囲気の違いは

「思っていた以上に盛り上がったというか、メジャーと変わらないぐらいの熱量でした。ゴルフが五輪競技に戻って3大会目でしたけど、前回は無観客。ゴルフでもこんなに盛り上がるんだなということを、強烈に感じましたね。ここまで盛り上がるということがすごくうれしかったですし、ここで結果を出したいと強く思えました」

金メダルには届かなかったが、松山英樹にとって大きなよろこびを噛みしめるパリ五輪になった

金メダルには届かなかったが、松山英樹にとって大きなよろこびを噛みしめるパリ五輪になった (撮影:GettyImages)

--“日の丸”のプレッシャーを背負っての銅メダルを、どう評価していますか

「日の丸を背負っているというよりも、金メダルを取りたいという思いが強かったし、その気持ちしかなかったです。金を狙えた中での銅だったので、悔しさはもちろんあります。それでも、何よりもうれしかった。丸山さん(監督を務めた丸山茂樹)から『色は何色でもいいんだ』と言われたことが、すごく頭に残っています。最後の何ホールかはパターが入らず苦しかったですけど、その中でも崩さず、ボギーを打たずに終われたことは一番大きかったですね」

--メダルをかけられた時の気持ちは

「“重たっ!”って思いました」

--次の28年ロス五輪では金メダルを、という気持ちは

「それはありますね」

その視線は次の五輪も見据えている

その視線は次の五輪も見据えている (撮影:岩本芳弘)

--シーズン終盤には日本選手として初めてのプレーオフシリーズ制覇(フェデックス・セントジュード選手権)もありました

「プレーオフシリーズは、(米国)1年目から出ていて勝ちたい試合のひとつでした。それを達成し、かつ節目の10勝目だったことはうれしかったですね。フェデックスのチャンピオン(年間王者)になるチャンスが増える勝利でもありましたし」

--“節目”というお話がありましたが、ご自身の中では、『よくここまで来たな』という思いが大きいのか、それとも『もっと早く達成したかった』なのか、どちらでしょうか

「どっちもですね。よく10勝もできたなと思いながらも、最初のペースならもう少し早く達成できたかなとも思っています」

日本勢初となるプレーオフシリーズ制覇も達成。これも目標の一つだった

日本勢初となるプレーオフシリーズ制覇も達成。これも目標の一つだった (撮影:GettyImages)

--今年は世界選抜として米国選抜と戦った「プレジデンツカップ」もありました。ド派手なガッツポーズも飛び出したり、すごくキャプテンシーを感じました

「そういう風によく言われるんですけど、今年は初めて“ホーム”を感じられた。これまでのオーストラリアや韓国などでは味わえなかったけど、今回のカナダという地では、『世界選抜のホームだ』って強く感じられたんです。これはうまく利用した方がいいと思っていました」

--今後も世界選抜のエースとしての活躍を期待されます。ひさしぶりの勝利が見たいファンも多いと思いますが

「もちろん選手もそう思っていますし、そうなるためには頑張って勝っていかないといけない。選ばれなければ、という気持ちはあります」

カナダで“ホーム”を感じたプレジデンツカップ。世界選抜のエースとして気合のこもる勝負を続けた

カナダで“ホーム”を感じたプレジデンツカップ。世界選抜のエースとして気合のこもる勝負を続けた (撮影:GettyImages)

--来年は米国男子ツアー出場権を持つ日本の後輩も増えます。そこには松山選手の影響も大きいと思うのですが

「別に僕がいたからではなく、そうでなければいけないと僕は思っています。そして彼らが、そうやって海外に臨んでいくようになっているので、うん、いいんじゃないですかね」

--「ZOZOチャンピオンシップ」、そして「ダンロップフェニックス」と日本でプレーする機会もありました

「勝てなくても、バーディをたくさん取って、喜んでいただきたい気持ちはある。ただ、バーディの数が少なすぎたので、やってる本人も面白くはなかったですね」

「ダンロップフェニックス」では石川遼とも同組でプレーし、会場を盛り上げた

「ダンロップフェニックス」では石川遼とも同組でプレーし、会場を盛り上げた (撮影:米山聡明)

--それでも松山選手の存在が盛り上がりにつながっていた

「やっぱり日本で勝ちたいと思うし、かなり勝ってないから勝ちたかったですね。残念ながら結果にはつながらなかったけど、また近いうち、来年以降にチャンスがあれば」

--2025年はどんなシーズンに

「早く次の1勝を挙げたい、そして、またメジャーで勝てるような位置でプレーすることが大事だと思っています。早く次の1勝を挙げられるように頑張りたいですね」



来年の米国男子ツアーは、年明け直後の1月2日(木)からハワイで開催される「ザ・セントリー」で開幕する。前年のツアー王者やポイントランキング上位者のみが出場できるシグネチャーイベントだ。松山や、久常涼だけでなく、金谷拓実、星野陸也、大西魁斗と多くの日本勢が来年は米国を主戦場に戦う。そのなかでも「マスターズ」での2勝目や、他のメジャー大会制覇など、やはり日本のエースにかかる期待は大きい。次なるターゲットへ、松山英樹は進んでいく。

2025年の活躍にも期待!

2025年の活躍にも期待! (撮影:岩本芳弘)

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