黄金期のウッズなら、この日のモリナリのような快進撃をウッズ自身が披露していた。だからこそ「タイガー・チャージ」という言葉が生まれた。
米ツアーの大会では毎週のようにミラクル・スコアをマークする選手が登場し、それを最終日にやってのければ、奇跡のような圧勝や大逆転優勝が達成される。その昔、それをやってのけるのがウッズだったが、今週、それをやってのけたのはモリナリで、ウッズは引き離され、優勝争いの蚊帳の外。それが今の現実であることを痛感させられた。
だが、黄金期のウッズはさておいて、腰の手術とブランクを乗り越えて今年から復帰したばかりという現実を冷静に見据えれば、ウッズの復活ぶりは順調すぎるほど順調と言える。今季3度目のトップ10入り。フェデックスカップランキングは47位へ上昇。一時期は4桁まで下降していた世界ランキングは、明日にはトップ70以内へ上昇する見込み。
今週の4位タイを可能ならしめた最大要因は苦悩していたパットが大幅改善されたこと。メジャー14勝のうちの13勝を成し遂げたエースパター(スコッティキャメロン・ニューポート2)を今大会はマレット型(テーラーメイド・TP Collection ARDMORE3)に持ち替えたことが功を奏し、パットでどれだけスコアを稼いだかを示す指標SGPT(ストローク・ゲインド・パッティング)は今週4日間で+1.20の7位。
しかし、何かが良くなれば何かが悪くなるのがゴルフの難しさで、とりわけ決勝2日間のウッズは肝心な場面で小技が冴えず、スコアを伸ばし切れなかった。