カントレーといえば、ジュニア時代もUCLA在学中も、将来を有望視され、米ツアーにデビューした2014年は、その年から正式メンバーとしてフル参戦を開始した松山と、しばしば比較もされていた。
だが、その前年に痛めた腰の状態が悪化し、成績は下降。2016年はついに戦線離脱を余儀なくされ、昨季は公傷制度に助けられて、ようやくツアーへ復帰。そして今季開幕早々のラスベガスで、ついに初優勝を遂げた。
この日、勝利を決めるまでの道は長かった。2日目から首位を走っていたJJスポーンが終盤に大きく崩れて優勝争いから脱落。追撃をかけたカントレーら3人がプレーオフにもつれ込んだのだが、1ホール目は3人ともボギー。カントレーはフェアウエイを捉えながらもバンカーにつかまり、寄せも失敗。それでも、プレッシャーの下では外しごろの2メートルのボギーパットをうまくカップに沈めて生き残り、次なるプレーオフ2ホール目では、たた1人パーで収めて勝利をもぎ取った。
そんな試合展開を目にしたとき、メディアセンターの中では往々にして「泥試合」という言葉が聞こえてくる。
確かに、惚れ惚れさせられるようなミラクルショットやナイスショットは優勝争いの大詰めでは1つも見られず、「誰が抜きん出るか」ではなく「誰が踏みとどまるか」「誰が生き残るか」が勝敗の分れ目になった。