海外男子メジャー第3戦「全英オープン」公式練習日のスタートリストに、唯一今大会出場選手ではない名前があった。ディフェンディングチャンピオンのヘンリック・ステンソン(スウェーデン)、アーニー・エルス(南アフリカ)と同組に名前を連ねたのは、2015年のセントアンドリュース大会を最後に「全英オープン」を引退したニック・ファルド(イングランド)だ。この日迎えた60歳の誕生日を記念した大会からの粋な計らいで、多くのギャラリー声援を浴びながら18ホールを回った。
松山はこの日、谷原と18ホールをラウンド!丸山茂樹が密着
9時ちょうど。1番ティを取り囲むスタンドには火曜日の練習ラウンドとは思えないほどのギャラリーが詰めかけていた。主役の到着前には月曜日に返却されたばかりの優勝トロフィ・クラレットジャグがティグラウンドに設置され、準備完了。エルスに続いてファルドが姿をあらわすと、大きな拍手に包まれた。
ほどなくして、一部のギャラリーが歌いだす。「ハッピーバースデートゥユー、ハッピーバースデー、ディア・ニック♪」。ファルドも満面の笑みで応え、「わたしも60歳になった。これで、なんでも自由なことができるよ!」と笑いながら、クラレットジャグを持ち去るパフォーマンスでギャラリーを沸かせた。同伴者がジャスティン・ローズ(イングランド)に変わった最終18番ホールでも、スタンドからハッピーバースデーの大合唱。リンクスで37度戦って3度の優勝を誇る“サー”ニックに、暖かい誕生日プレゼントが送られた。
ホールアウト後は18ホールの感触を噛みしめながら、これまでの全英キャリアを振り返った。