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脳腫瘍から復帰したゲーリー・ウッドランド PGAツアーの“勇敢賞”を涙の受賞

脳腫瘍から復帰を果たしたゲーリー・ウッドランドに、PGAツアーが“勇敢賞”を授与した。

所属 ライター
武川 玲子 / Reiko Takekawa

配信日時:2025年2月27日 12時30分

「コグニザントクラシックinパームビーチ」の開幕を翌日に控えた26日、脳腫瘍から復帰を果たしたゲーリー・ウッドランド(米国・40歳)に、PGAツアーが“勇敢賞”を授与した。

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「このPGAツアーの“勇敢賞”は、毎年授与されるものではない。並はずれた、特別な状況に直面して、それを勇敢に戦ってきた特別な人にだけ贈られるもの」とPGAツアーコミッショナーのジェイ・モナハン会長。ウッドランドは7人目の受賞で、「彼の通ってきた険しい道のりは多くの困難があり、奇跡だとしか言いようがない」とウッドランドを紹介した。

ウッドランドが脳腫瘍を除去する手術を受けたのは2023年9月。脳を圧迫する病変が発見されたのは4カ月前の5月のこと。直前の4月に睡眠障害とパニックという症状がウッドランドを襲ったのがきっかけだった。手術は頭部に“野球ボール”の大きい穴を開ける必要があったという。会見に臨んだウッドランドは言葉に詰まった。

「申し訳ない…。すごくきつかった。本当にこの賞は大きな意味がある。これは僕を支えてくれた人々のもの。なぜなら彼らが居なかったらプレーに戻ることも、きょうここに座って居ることもできなかった。素晴らしい家族やチームに恵まれ、ゴルフ界、ツアー、選手、キャディ、そしてここに居るみんな…。僕が受けた愛とサポートは素晴らしいものだった」とどうにか言葉にした。

ウッドランドはもとよりツアー随一のナイスガイの一人。そのウッドランドには大きな支援やメッセージが送られていた。出術を受ける前、「もし自分が戻ってこられなかったら・・・」と3人の子供とギャビー夫人に手紙を書き残した。25日に公開されたNetflixの“フルスイング・シーズン3”で語っている。手術によって腫瘍のほとんどは切除することができたが、それでもその後はメンタルヘルスとの戦いで、それは今も続いているという。

PGAツアー4勝、2019年にはペブルビーチで開催された「全米オープン」を制した。手術から4カ月経った2024年1月にツアー復帰。2024年シーズンは26試合に出場しトップ25は3度。フェデックスカップ・フォールも戦いフェデックス・ポイントは140位だった。

今年年は「ソニー・オープン・イン・ハワイで16位に入ると、「AT&Tペブルビーチ・プロアマ」22位、「WMフェニックスオープン」も21位に入った。「ジェネシス招待」では予選落ちだったが、今週は5試合目となるコグニザントクラシックinパームビーチに参戦する。

同賞は受賞とともに2万5千ドル(約375万円)のチャリティ基金が贈られ、ウッドランドがその送り先を決めることができる。脳腫瘍や外傷、病気の患者を研究・支援するチャンピオン・チャリティーズを選んだ。そしてウッドランドとギャビー夫人はと同額を寄付を決めた。

「まだ自分のベストなゴルフは未来にあると信じている。スピードも戻ってきた。15年前と同じように触れる。ゲームはもっと理解している。だからドアのノックを続けて行きたい」と微笑んでトロフィーを見つめた。(文・武川玲子=米国在住)

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