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松山英樹、石川遼が挑むW杯は日本ゴルフブームの“原点”

松山英樹、石川遼が挑むW杯は日本ゴルフブームの“原点”

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2016年11月15日 12時36分

 1957(昭和32)年元旦の読売新聞一面に『カナダカップ開催』の社告が出た。キャッチフレーズは“原子力の平和利用“だった。カナダカップを主催するゼネラルダイナミックス社は原子力潜水艦の建造で知られる。折しも日本は原子力の利用に向けて動き出した矢先のことだった。読売新聞の社主、正力松太郎氏は原子力担当の国務大臣だった。かくして日本で初めてのゴルフ交際競技は霞ケ関CC東コースを舞台に、30か国が出場して10月14日に開幕した。主催は国際ゴルフ連盟、読売新聞社と日本ゴルフ協会が共催となった。大会競技の模様は日本テレビから実況中継(カラー放送)され、ゴルフというスポーツが初めて電波を通じて茶の間に入った。日本代表は中村寅吉と小野光一。団体戦を制し、中村は個人戦にも勝った。団体戦、個人戦制覇という快挙に日本のスポーツ界は驚いた。この結果、ゴルフは普及の方向に流れ、ゴルフ場の建設が盛んになり、ゴルフ人口が急増してアマチュアの競技会が増えた。

 カナダカップはその後、1966(昭和41)年に日本では2度目の第14回大会が読売CCで行われた。日本代表は杉本英世、河野光隆のペアで5位。アメリカはアーノルド・パーマー、ジャック・ニクラスのペアで臨み、団体優勝を果たした。個人戦では杉本が大健闘し、優勝を決めるプレーオフに敗れて2位になった。この時のアメリカ代表はゴルフ場周辺の交通事情を考慮し、ヘリコプターで練習場に舞い降り、コース入りをした。

 2002(平成14)年、伊沢利光、丸山茂樹のペアが団体2度目の優勝をとげている。今年はオーストラリアでの開催が予定されている。オーストラリアでの開催は1959、1972年に続き3度目。日本は先の日本オープンに続き、世界ゴルフ選手権を制する快挙を達成した松山英樹を柱にした日本チームの健闘に期待したい。


文・福島靖
1933年、神奈川県生まれ。中日新聞、夕刊フジの運動部記者として、ゴルフをはじめ様々なスポーツを取材。中日新聞時代には、現在の中日クラウンズの創始に携わる。90年、東京GC資料室を創設。
 

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