“第5のメジャー”「ザ・プレーヤーズ選手権」の最終結果はこちら
再開後、カイマーのショットやチップは、あからさまに乱れていった。15番はグリーン左からの第3打を目の前のバンカーに落としてダブルボギー。すでにホールアウトしていた2位のジム・フューリクとの差は一気に1打差へ縮まった。パー5の16番でもグリーン左からの第3打をピンに寄せられず、平凡なパーどまり。名物ホールの17番(パー3)はティショットが池に落ちそうで落ちず、命拾いしたが、2打目のチップショットを打ち切れず、大ショート。流れはすこぶる悪かった。
スコアを1つ落とせば、フューリックとのプレーオフ。今年から新設された3ホールに渡るプレーオフを月曜に行うことになる。2つ落とせば、圧勝のはずの勝利をみすみす逃した憐れな敗者と化す。そのプレッシャーと雷雨中断によるコンディションの変化が、終始安定していたカイマーのゴルフを突然狂わせた。
だが、17番で複雑なスネイクラインの下りの6メートルのパーパットを見事に沈めると、18番はグリーン手前からパターで安全に寄せ、きっちりパーセーブ。崩れ落ちて敗北しそうになりながら、ぎりぎりで1打差を守り、日没寸前で勝利。“第5のメジャー”はメジャー級のドラマで幕を閉じたが、窮地に陥ったカイマーが最後まで踏ん張ることができた陰には、こんな家族愛の物語があった。
最終日の朝。カイマーの兄から携帯メッセージが送られてきたそうだ。