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四面楚歌でも「P・リードよ、胸を張れ」【舩越園子コラム】

四面楚歌でも「P・リードよ、胸を張れ」【舩越園子コラム】

配信日時:2021年2月1日 12時00分

そのマスターズの際は、リードが優勝に近づき始めたころ、どこからともなく彼の過去の「良くない噂」が噴出し、拡散され、世界のメディアの中にも冷たい視線を向けた者は多かった。しかし、どれも確証のない噂ばかり。リードが優勝争いに絡んだタイミングで突然、過去の噂が噴出したことのほうが、むしろ不自然に感じられた。

そんな中でもリードがオーガスタ・ナショナルで好プレーを続け、勝利したことは事実であり真実だった。だから私は「リードよ、グリーンジャケットに胸を張れ」と書いた。

だが、その後もリードには厳しい目が向けられ続け、色メガネで見られたことも何度もあった。19年の「ヒーロー・ワールド・チャレンジ」では、バンカー内で素振りをした際、ウエッジのソールで砂を払ってライを改善したと指摘され、批判の嵐が巻き起こった。

リード自身は否定したが、画像を見る限り、砂がソールで払われているように見えたことは事実。その事実に基づいて、米ツアーは彼に2罰打を科した。ルール違反を示す明らかな証拠があればペナルティを科す。それで一件落着。それ以上でも以下でもない。

今大会3日目のリードのフリードロップに関しては「ボールが埋まっていなかった」という証拠はどこにもなく、複数の目撃証言も得られていたのだから、リードの対処は正しいものだった。彼自身、「僕は正しく対処した」と主張し続けていた。

それなのにルール違反の嫌疑をかけられ、批判の嵐が巻き起こったことは、リードの責ではなく、批判した側の思い込みや先入観がもたらした「負の産物」だと私は思う。
偶然にも、やはり3日目の18番でローリー・マキロイがリードとほぼ同じ状況に遭遇した。この時マキロイはルール委員を呼ばずして、リードと同じような処置を取っていたことがわかり、米ツアーは最終日の朝、「リードもマキロイもルールに従い、正しい処置をした」という声明を出した。

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