今年、コロナ禍の中で米ツアーが再開され、トラベラーズ選手権を制したときも、プレーオフ初戦のノーザントラストを制したときも2戦目のBMW選手権で2位になったときも、ジョンソンは「フェデックスカップ・チャンピオンになりたい」と言い続けていた。
スイングコーチのクロード・ハーモンに加え、その父親である名コーチのブッチ・ハーモンの門も叩き、ショットや小技の精度向上に努めてきた。眼科医の見識を活かしたパット専門コーチ、クレッグ・ファーンズワース博士にも師事し、パットの向上も図った。
その努力が実り、今大会のジョンソンはどこからでもグリーンを捉え、どこからでもパットを沈めた。必死に磨き上げた技術が要所要所で光った。身に付けた技術力をタイムリーに発揮できたのは、強靭なメンタルのなせるワザ。長年の悔しい体験が自ずとジョンソンの精神面を強くしたのだと思う。
全米オープンを含め、米ツアー通算23勝目。数々の実績を誇りながら、なぜジョンソンはそれほどフェデックスカップ・チャンピオンを渇望していたのだろうか。
「いつか引退して、自分のキャリアを振り返ったとき、『僕はやったんだ。勝ったんだ』と思えるものが欲しかったから」