トップは浅めだけど ジョン・ラームのパワフルスイング【連続写真】
問題のショットはラームが3打リードで迎えた16番パー3。グリーン左の深いラフから打った第2打のアプローチショットは、ラインに乗ってカップに沈んだ。無観客試合だから大歓声とは行かなかったが、ラームは大きくガッツポーズ。このバーディで勝利を確信したといってよい。なぜなら残り2ホールで4打リードに広げたのだから。
しかし、このチップショットでは、ラームが打つ前に何度がクラブをソールした際にわずかにボールが動いたことが放映中のCBSの映像で確認された。結果的にはこれで“2罰打”を受けることになるのだが、動いたといってもおそらく数ミリ、解説をしていたニック・ファルド(イングランド)は「1ディンプル動いた」というくらいだ。ライが改善されたわけでもなく、ラームはまったく気づかなかった。競技委員が映像を確認して協議。ペナルティーが伝えられたのはラームのホールアウト後だった。
ここで問題なのは2014年から改正されたルール。「プレー中にボールが動いたときに“裸眼”で確認できない動きは罰打とならない」というもの。このルールは当時、毎ショットがテレビで映し出されるタイガー・ウッズ(米国)ばかりが罰打を受けることに公平性が欠けると論争が起こっていた時期に改正されたものだ。
また、テレビが高画質になり、わずかな動きも映し出されることから視聴者からの問い合わせも相次いだ。プレー中の選手が“裸眼”で確認できないことに“罰打”というのは非合理だというわけだ。今回のラームのボールはわずかだが確かに動いていた。しかしテレビカメラで大きくズームしていたからこそ分かるもの、これが“裸眼”で確認できたかというとかなり疑問だ。
