顔を傾けて深い捻転を作る 韓国のホープ・ソンジェのスイング【連続写真】
ソンジェは構えているときのバランスが特徴的。55対45くらいの左重心で構えています。バックスイングではストレートな軸感覚を大切にしながら、頭の位置を動かさずに、捻転していく。ほとんど体重移動せずに左軸でスイングする「スタック&チルト」のようなイメージにも見えます。ただし、ティアップは高いので、ダウンブローで打とうとしているわけではなさそうです。
ダウンスイング初期には手首の深いタメがあって、手元がベルトのラインまで下りてきたときに急激なリリース動作が入る。このことから「タメと解放」を上手に扱っていることが分かります。トミー・フリートウッドが体の回転を止めずにクラブを引っ張り続けるプレーヤーだとすると、ソンジェはクラブワークを使うプレーヤー。だからフォロースルーでは右手が左手の上に乗っかってくるのです。
キャップのつばに注目すると、バックスイングで左腕が地面と平行になるまでは頭の向きがまったく変わりませんが、それ以降は捻転量が足りないので、顔の向きが少し右に回ります。そしてフォロースルーで手元が腰の高さにくるまで、そのキャップの向きを変えていません。それに対してフリートウッドは頭も一緒に回転していく。インパクトで頭の向きを変えずに目線を残しておくと、クラブヘッドは走るんです。この辺りがソンジェのクラブワークを生み出す1つの要因になっています。
個性が少ないきれいなスイング作りという点は、韓国人選手の特徴とも言えます。それに2018年に米下部ツアーの賞金王を獲っていますから、実力は申し分ありません。言ってみれば松山英樹クラスです。ソンジェをはじめ、韓国人選手は海外で勝負する選手が多いですし、USLPGA(米女子ツアー)だけでなく、USPGAツアーでも韓国の選手がもっと増えていくと思います。
