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青木功が語る、松山英樹の可能性とペブルビーチの攻略法

青木功が語る、松山英樹の可能性とペブルビーチの攻略法

配信日時:2019年6月13日 07時16分

とはいっても、それだけでコースが短くなるわけではありません。例えばフェアウェイの傾斜でどちらかのサイドに球がこぼれるとしたら、そちらのラフを長く伸ばすといったセッティングにしてくるでしょう。そうなると、今度はティショットを刻まなければならず、ウェッジで打てる距離のショットが長い番手になり、硬いグリーンで止めなくてはいけません。

ゴルフは逆算のゲームです。これらの要素が入ってくると、パッティングがうまい選手が、より戦いやすくなります。パッティングが良ければ、「あの辺に乗せておけばいい」とムリな攻めをしなくなる。アプローチにもショットにもプレッシャーがかからなくなり、結果的に好スコアにつながるでしょう。

そのような変化をつけたセッティングで戦っていると、どうしてもマイナス面を考えてしまう。それに続くのは、ムリな攻め。ピンを狙うと今度は外してはいけないほうに外してしまう。いいときはバーディも出るけどボギー、ダブルボギーも出る。見ている方にとっては、変化のある試合になって面白いでしょう。

メジャー、特に全米オープンは「どこからでも攻めてこい!でも攻めすぎると痛い目にあうぞ!」と語りかけてくる。そういう誘惑に勝てるかどうかです。それでもペブルビーチというのはゴルフの難しさを考えさせられると同時に誘われるコース。面白い展開が待っているでしょう。

ウッズやミケルソンが有利という話をしましたが、松山英樹選手にも期待したい。ショットが良くなってきていると本人も言っていますし、ショートゲームはうまい。ショットは皆さんも知っているとおり、米ツアーでもトップです。そうなってくると、やっぱりパッティング次第ということになります。最近は打ち方を変えたりいろいろと試しているようですが、米ツアーで5勝している実績はだてではない。世界ランキングも2位までいった選手ですから、もっと自信をもてばいい。私がプレーしているときは、「オレが一番うまいんだ」と思ってプレーしていました。いつか勝ってやるぞという気持ちでいつもプレーしていた。自分のやっていることに自信があるからです。松山選手にもそういう風に思ってもらえればいいと思います。

ゴルフは難しく考えれば考えるほど思考能力も低下する。体力はみんなある。だからそんなことを考えずに、「オレはココまでやってきたんだ」というプラス思考を貫けばいい。それができる人間が勝つのではないでしょうか。行く、引く、行く、引くという戦略がメジャーには必要。それを判断するのは選手自身。悪い思考があると「攻めないといけない」と思ってしまう。なんとかしなければいけないと思えば思うほど「行く」部分ばかりになってしまい失敗する。あまり執着しすぎず、これまでやってきたことを信じれば、松山選手に十分チャンスがあるのは明白です。

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