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“日本流セッティング”が欧州では論争に!? 「カコイチ」爆風のなかで、“クラブ構成”についても考えさせられました【ゆり’s ROAD】

独自の道を切り開き、プロゴルフの世界で戦っているひとりの選手がいる。26歳の女子プロゴルファー・識西諭里(おにし・ゆり)がその人だ。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2023年8月25日 13時30分

これが10番のセカンド。5番ウッドで飛距離は150ヤード…、そんなリンクスでの経験で得た学びって?
これが10番のセカンド。5番ウッドで飛距離は150ヤード…、そんなリンクスでの経験で得た学びって? (撮影:ALBA)
目を開けているだけでもきつい…
木が一本もない完全なるリンクスでした
パターを打つのも一苦労で…
ウェッジについても考えることになりました
フェスキュー越しにイエーイ!
ドライバーも最長距離330ヤード、最低距離210ヤードでした
景観からしてリンクス!
貴重な経験をした一日にも
向こうにはすぐに海が見えます
日本ではスタバの新作も満喫(写真:本人提供)
安定の一蘭は今週ももちろんです(写真:本人提供)
1 / 11
目を開けているだけでもきつい… (撮影:ALBA)

独自の道を切り開き、プロゴルフの世界で戦っているひとりの選手がいる。26歳の女子プロゴルファー・識西諭里(おにし・ゆり)がその人だ。日本でのツアー生活を目指すも、これまでに7度挑戦したプロテストで合格をつかみ取れず、今年は米国、欧州と世界各国を股にかけて転戦を続けている。“未知の世界”に飛び込んで奮闘する姿を追う。先週は英国(北アイルランド)で行われた「ISPS HANDA・ワールド招待」に出場したが、タフなコンディションのなかプレーしたことで、また“新たな発見”もあったという。

こちらが“論争”を巻き起こした識西のセッティング【写真】



みなさん、こんにちは! 私は2週間滞在したイギリスから一時帰国し、今週は地元・福岡で過ごしています。先週は、今思い返してみても、新たな経験ができたなと思います。特に2日目にプレーしたリンクスのキャッスルロックGC(※先週は予選ラウンドで2つのコースを使用)は…すごかった!(笑)。 

何がすごかったかというと風。間違いなく“カコイチ”でした! 例えば10番(実測387ヤード、パー4)はものすごいアゲンストのなか5番ウッドでセカンドを打ったんですけど、キャリーでグリーンに乗せたと思っていたんです。でも日本に帰ってから放送を見てみると、グリーン手前からランで乗っていて。その時ですら『168ヤードしか飛んでない…』って思ったんですけど、それどころか“飛距離150ヤード”だったことが判明しました(笑)。もともと私は5番ウッドで230ヤードくらい。80ヤードも戻されるなんて…。これまでに経験したことはありませんでした。

そのなかで、すごく感じたのがクラブセッティングについてです。私は『球を上げたい、止めたい』という意図で1番、5番Wから3本のUT(4U、5U、6U)につないでいます。でもその時は「低い球も打てるように4番、5番などのロングアイアンも必要かな」と強く感じました。他にもUTで打ちたい距離だけど、戻されるから6番アイアンで低いドローを打って対応したり。日本では、あそこまで風が吹くなかで試合をすることもないので、これまでにない発想にいろいろと考えを巡らせました。

もともとコース状況やコンディションに応じて、クラブを一度見直さないとな、というのは以前から感じていた部分でした。ヨーロッパは地面が硬いコースも多いため、日本に比べウェッジでバンスが跳ね返されることが多くなったり。『さて、どうしようかな?』と。今回も、今まで選択肢になかったロングアイアンのことを考えたり。こういう部分も、試合に出続けていろいろなコースでプレーしたことで気づけた部分と言えます。

私はクラブサポートを受けているわけではないので、必要になれば用品店に行ってクラブを買ったりもします。今のドライバー(テーラーメイド『M5』)はもう4年以上使っていますし、UTもゴルフパートナーで買ったもの。アイアンのグリップも割れているんですけど、自分で巻けないし、LET(欧州女子ツアー)は他のツアーのようにメーカーの担当者さんが会場に派遣され常駐している、ということがほぼないためボロボロです(笑)。クラブを替えようと思ったら、試合会場の芝の上でも試したいし、気になるものすべてを買わないといけない。ただ安いものではないため、そういうわけにもいきません。選択肢も多すぎて、そもそも絞り込むのもなかなか難しいですし…。

海外の選手は3番や4番といったロングアイアンを入れている選手がすごく多いな~、というのは以前から感じていました。そういえば、6月に出場した男女ミックス試合(ボルボ・カー・スカンジナビアミックス)の会場に、選手のクラブを撮影してインスタグラムにアップする方がいたんです。私のものがあがった時、コメント欄で『なんだこのセッティングは?』、『ロングアイアンが入ってないじゃないか』、『いやでも女子はこういうセッティングもありだと思う』みたいな“論争”が巻き起こっていたことがありました(笑)。日本ではよく見かける構成だと思っていたのですが、場所が変われば、その内容も変わってくる。本当に勉強の日々を送っています。

さあ、また日曜日には、来週の試合のため北アイルランドのお隣アイルランドに向かいます。そこからオランダ、スイスを渡る3連戦を予定していますが、続けて試合に出られるのは本当にうれしいことです。夏前に経験した8連戦は、さすがにしんどかったですけど(笑)、やっぱり2週くらいで戻るのは物足りない! こういうペース配分も実際に体験しないと分からないことなので、1年目のシーズンは学びが多いですね。

福岡では愛犬に会った後、もちろん安定の一蘭にも行きました(笑)。スターバックスでスイカのフラペチーノも飲んだし、何よりも…やっぱり日本のお米っておいしいって感動してます! というわけで少し休んで、また来週から頑張ってきます!
 
■識西諭里(おにし・ゆり)
1997年4月16日、福岡県出身、26歳。福岡第一高卒。9歳でゴルフを始め、2015年の福岡県民アマチュアゴルフ選手権優勝などの実績を残す。昨年は予選会を突破し6月の「全米女子オープン」に出場。米国、欧州ツアーの予選会にも挑戦し、現在は欧州を主戦場にしている。身長166センチ。株式会社梅の花所属。

フラッグを見ても風のすごさは伝わってきます

フラッグを見ても風のすごさは伝わってきます (撮影:ALBA)

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