<JLPGAファイナルQT 最終日◇5日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 東コース(茨城県)◇6418ヤード・パー72>
ツアー通算23勝の元賞金女王は、プロ23年目となる2026年もレギュラーツアーで戦う。来季の前半戦出場権をかけたQTで、横峯さくらが18位で突破。第1回リランキングまでの前半戦“フル出場権”をつかんだ。
2日目を16位で折り返すと、3日目は「73」で28位とボーダーライン(35位付近)が近づく位置にやや後退。それでも最終日に5バーディ・2ボギーの「69」で回り、トータル6アンダーで余裕を持ってフィニッシュ。18番グリーンを下りるときには、キャディを務める夫の森川陽太郎氏とハイタッチを交わした。
初めてQTに出場したのは産後だった2021年。21位で突破し、40位(23年)、28位(24年)と前半戦に出場できる位置を確保し続け、今回も来年につなげた。「ツアーとはまた違う緊張やプレッシャーはあった。18ホールを戦うことができた。やっと、長い4日間が終わりました」と、まずは安どの表情を浮かべる。
今年は2度のリランキングを突破して、29試合を戦った。ただ、予選落ちの回数は少なくはなく、最高位は「北海道meijiカップ」の9位でこれが唯一のトップ10入り。メルセデス・ランキングは93位だった。夏場には森川氏にクラブ選択やグリーンの読みを全権委任したこともあったが、秋にハウスキャディを起用したことをきっかけに、自ら考える大事さを痛感。ここからゴルフとの向き合い方が変わった。
「ここ最近までは甘えていました。自分と対話できるようになってからは、私自身、ひと皮むけたんじゃないかなと思っています」
そして「戦う」という言葉を何度も繰り返した。「入れたくないと思ったバンカーに入っても大丈夫っていう気持ちや、自分のスイングができていればしょうがないとか。打つ前から“イヤだな”という感情は絶対に出てくるので、その感情に向き合いながら自分のスイングをすること。ショットの精度やショートゲームもだけど、気持ちが“戦える”状態にできればなんとかなる。頑張ります」。そう言って、来季を見据えている。
今月13日に40歳の誕生日を迎える。闘志は衰えていない。「戦うことをテーマにして、その先に上位や優勝を見たい。できるだけ続けたい」。各会場に設置される託児所を活用しながら、夫、息子との“三人四脚”での転戦。2014年「大王製紙エリエールレディス」以来の勝利に向けて、09年の賞金女王はまだまだ現役だ。(文・笠井あかり)
