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遠回りの“スタート地点”に立った渋野日向子 ドラマチックな2年間を振り返る

遠回りの“スタート地点”に立った渋野日向子 ドラマチックな2年間を振り返る

配信日時:2021年12月14日 12時32分

スイング改造に踏み切り、3月の国内開幕戦では周囲を驚かせた。この改造には賛否両論が巻き起こった。渋野はそんな声をシャットアウトしようとしたが、どうしても耳にも目にも入ってくる。今年も不振は続いたが、改造当初から信念を曲げずに、自分を信じてやってきた。すべては米ツアーで戦うため。その結果が数字として表れたのが9月。3試合連続でトップ10に入ると、10月の「スタンレーレディス」では2年ぶりの優勝を飾った。

「いろいろ言う人もいたけど、見返したいと思った」とは、このとき渋野が語った言葉。優勝を決めた瞬間は大粒の涙が芝を濡らした。苦しい時期が長かったからこそ、喜びも大きかったはずだ。ところが渋野は、あくまでもQシリーズを通過して米ツアーに挑む通過点として捉えていた。

翌週も優勝争い。ところが最終日が悪天候のため中止となり、惜しくも2週連続の勝利を逃したが、その翌週には今度は予選落ち。それでも、さらにその翌戦の「樋口久子 三菱電機レディス」で今季2勝目を飾る。ここでも喜びとともに、反省点を口にした。「毎回、同じようにスイングできない」。結果だけを見れば優勝だが、Qシリーズに向けての仕上げに入る時期においては、満足している場合ではなかった。

その翌週も7位タイに入ったが、翌戦の「伊藤園レディス」で予選落ち、そして国内最終戦となった「大王製紙エリエールレディス」でも優勝争いに絡めず12位タイに終わった。「生きているなかの一つと思ってやりたいけど、そういう気持ちになれないくらいの緊張感がある」とQシリーズ直前の心境を明かし、渡米した。

Qシリーズ前半の初日。出場110人のなかでまさかの81位タイスタート。そして2日目も挽回できずに72位タイ。「1日叩いても取り返せる」と前向きに考えていたプランは、一気に窮地へと追い込まれる。

ところが、だ。渋野は何かをやってくれる。そんなファンの期待や思いを体現するように3日目には全選手のなかでトップの「66」をマーク。一気に25位タイに順位を上げるところは、渋野らしかった。4日目もスコアを伸ばし24位タイで、なんなく後半戦進出を決めると、4日目は5つ伸ばし一気にトップ10入り。そして6日目も3つ伸ばし7位タイまでカムバックした。

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