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パリ五輪出場にも意欲 畑岡奈紗が日本で感じた“米国志向”の高まり「一緒に回った選手から…」

畑岡奈紗が長いシーズンを終え帰国。地元・茨城県で行われたイベントで来年のパリ五輪への思いや、海外志向が高まる日本ツアーについて語った。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2023年11月25日 10時00分

イベント会場にあった自らの等身大パネルと記念撮影。畑岡奈紗はパリ五輪への意欲も示した
イベント会場にあった自らの等身大パネルと記念撮影。畑岡奈紗はパリ五輪への意欲も示した (撮影:ALBA)

24日(金)、茨城県のPGM⽯岡ゴルフクラブで行われた『Hilton Grand Vacations Cup』に、米国女子ツアー通算6勝の畑岡奈紗が参加。リゾート運営などを手がけるヒルトングランドバケーションズ(HGV)のブランドアンバサダーとして、PGMとスポンサーシップを結ぶ国内ツアー通算6勝の笠りつ子とともにゲストと触れ合った。

日本のエース!畑岡奈紗のスイングを動画で分析

「勝てなかったことがすごく悔しい」と振り返った2023年シーズンも、19日までフロリダ州で行われていた「CMEグループ・ツアー選手権」で終了。23日には帰国し、今季未勝利だった悔しさをバネに、ここから新たな1年へ向けた準備を進めていく。

今月16日には、主戦場の来季日程も発表された。公式大会は全35試合で、賞金総額は1億1800万ドル(約177億円)と、昨年に続き史上最高額を更新することが決まっている。「新規大会も増えて、新しく行ける場所、ボストンとかはすごく楽しみです。スケジュールも1週空いたりすることも多いのでたくさんの試合に出られるように」。毎年かかげている「年間最低でも1勝を」という目標に向け、シーズンを万全の状態で戦い抜く体作りにもしっかりと取り組んでいくつもりだ。

そして来年は、ツアー外のビッグイベントが待っている。それが7月に開幕するパリ五輪だ。新型コロナウイルスの影響で、前回の東京五輪は21年に開催。こんな事情もあってか、「すごく早かった2年間」とここまでを振り返る。母国開催の五輪では日本代表のひとりとして日の丸を背負ったが、「調整もプレーもなかなか思うようにいかなかった」と、9位という結果に終わった。そのリベンジの場所にしたいパリについては、「まだ先の話なのでどうなるか分からないけど」と前置きしながらも、「チャンスがあれば出たい」と意欲を示した。

世界ランクを基にした代表争いは、ここからさらに大きな注目を集めることになる。現在、同ランク17位の畑岡は日本勢1番手に位置。同国内の上位2人、もしくは同じ国の選手が世界ランク15位以内に4人以上いる場合は4番手までに設定される基準で圏内にいる。しかし、2番手の山下美夢有は22位、3番手の古江彩佳は24位、4番手の笹生優花は27位と、ライバルも“僅差”。その下にも、岩井明愛(37位)、西郷真央(43位)ら勢いと実力を兼ね備える若い選手も続いている。最後まで白熱の様相を呈しそうだ。

この状況については、「自分がランキングを落としていることもあるけど、20位台の選手も増えている。リオ(16年リオ五輪)の時の韓国ではないけど、トップ15にいても5番手になるとか、今の(日本の)レベルなら考えられる。すごく1試合1試合が大事になりますね」と危機感も覚える。選考レースを優位に進めるためにも、大きな結果が早々に欲しいところ。

今月上旬に日本で行われた米ツアー「TOTOジャパンクラシック」を制した稲見萌寧が、来季から米国に戦う場所を移す意思を表明したのは記憶に新しい。そして月末の30日から始まる来季の米国ツアー出場権をかけた最終予選会に西郷、吉田優利、馬場咲希の3人が挑むなど、日本勢の海外志向の強まりを日々感じることができる。この意欲が競技力向上のひとつの要因ともいえそうだが、その熱を畑岡自身も肌で感じることができた。

「今年は日本で2試合に出場したけれど、ハタチくらいの選手がメインで活躍している。一緒に回った選手から『海外ってどうですか?』と聞かれる機会もありました。将来的に(米国に)行きたいと言っていた選手も多い印象。どんどん増えてくるでしょうね」。稲見の米国挑戦についても、「萌寧ちゃんは、もともと海外志向じゃない印象だし、『びっくりされた』と言われたというコメントも見ました。でも若いうちにしかできないこと。私もびっくりしましたけど、うれしいですね」と話す。その状況のなかでつかみとる代表権は、さらに価値も高まる。

来年が、米ツアー参戦から8年目のシーズンになる。「調子が悪くても、東京五輪の時よりもスコアをまとめられる自信はあります。しっかりとピークを合わせていきたい」。レベルが上がっているのは、もちろん畑岡も同様だ。今年はメジャー制覇や年間女王戴冠まであと一歩まで迫った。“日本のエース”と呼ばれるゆえんを、新シーズン開幕からそのプレーで見せていくつもりだ。(文・間宮輝憲)

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