渋野日向子が14日、日本航空(JAL)が開催したイベント『渋野日向子×JAL スペシャルゴルフデー』(中央区・PGMゴルフアカデミー銀座)に出演した。2部形式で行われたこの日のイベントの前半は、小学生から中学生まで6人が参加する子どもの部。そこで、長かったシーズンを終えた直後の27歳が“童心”に戻る姿が印象的だった。
スナッグゴルフ教室から対決へと移る内容だったのだが、子どもたちがいいショットを放ち、目の前にある的に当たると、「おお!」「ナイス~!」「みんな上手で、何したらいいか分からん!」などの言葉を拍手、そして笑顔とともに送る。初心者の子どもには、クラブの握り方から手取り足取り指導。勝負飯を聞かれると、「肉! 焼き肉!」と即答し、大きな声をあげて笑う。
もともと、子ども好きとして知られる渋野にとって、これは“イベント”とはいえ癒しの時間だったのかもしれない。3球で射抜いた的の得点で争う勝負になると、ゴルフをやっている最初の中学生とはガチンコ対決。3球とも“満点”の真ん中を射抜き、プロのすごさを見せつけた。その後の小学生との対決では「年一(回)やる程度」という左打ちというハンデを背負い、勝っても負けても、子どもたちと一緒に盛り上がった。
「みんなすごく上手。スナッグゴルフをやったことがない子も、ちょっとずつ上手になってボールや的に当たるようになってた。ゴルフの楽しさを知ってもらえるといいな」というのが、その想い。今回が4回目のイベントだが、最初に対戦した中学生は、いわば“常連さん”。「あの子はずっと参加してくれていて、(試合に)応援に来てくれもした。自分も“親目線”で見ていますね。ここで会った子がプロになれば、すごくうれしい。これからも引き続きやっていければ」。継続の力も感じるイベントだ。
子どもたちにとって、目の前に現れたアスリートの記憶は鮮明に残るもの。そこで『子どもたちと接する時に意識していることは?』と聞いてみると、少し考えた後に、「やっぱり楽しんでもらえるのが一番。ちょっとでもゴルフを知ってもらえたらいいな」と答えたが、それ以上に大事なことだと思ったのが、それに続いた言葉。「まだ自分も子どもの心を持っている気がする。同じ精神年齢だし、お友達感覚で接しているような気がします」。そう言うと、またニッコリと笑った。
最初は緊張していた子どもたちも、気が付くと、渋野に話しかけたり、質問にしっかり答えたり、すっかり“お友達”になっていた。「緊張はしますよ」というイベントだが、それが英気を養う時間にもなるのは、本人も心から楽しんでいるから。この後も、これもすっかり恒例行事となったソフトボール大会が控えている。「ショットのスタッツもすべてにおいて低いし、その平均値を上げないといけない。1個1個のレベルを上げないといけない」と意気込む本格的なオフ、そして5年目となる米ツアー開幕を前に、子どもたちからも多くの力をもらう。(文・間宮輝憲)
