渋野日向子が主催する「2025年 渋野日向子杯 第4回岡山県小学生ソフトボール大会」が19日から2日間、倉敷市の倉敷スポーツ公園で開かれた。
ゴルフと並行して小学生までソフトボールに熱中していた渋野も出場していた、地元岡山での大会を復活させる形で、2022年に第1回大会を開催。「まさか4回目ができるとは…」と本人は謙遜(けんそん)したが、いまや岡山のビッグイベントになっている。小学6年生の選手たちにとっては、卒業前の最後の大会であり、ソフトボール関係者にとっては大事な師走の行事だ。
男女混合16チーム、女子4チームの合わせて397人が参加した今年の大会は、19日に予選、準決勝を行い、20日は渋野も見守るなか決勝2試合を実施した。21年「東京五輪」ソフトボール日本代表金メダリストの原田のどかさんが、今年も特別ゲストとして友情出演。第1回から“皆勤”のオリンピアンはソフトボール教室などを行い、渋野もゴルフ教室などで選手たちと触れ合った。
ガチ対決が恒例の始球式では、渋野と原田さんが4年連続で対戦。「平島スポーツ少年団」時代にエースで4番だった渋野は過去3年間、一度もヒットを許していなかったが、カウント2-2から外角低めのストレートを左中間に初被弾。「けっこういい球だったんですけどね。でも、ホームランを打ってもらってよかった」と笑顔の渋野に、昨年限りで現役を退いた原田さんも「4年目にしてやっと安打が出ました。それもホームラン! 引退したら結果が出た。でも、ホントいい球でしたよ」と喜んだ。
決勝後のアトラクションでは、ホームラン大会に飛び入り参加した。サク越えはなかったが、左右の打席で2球ずつをスイング。選手やスタンドの父兄、関係者は大喜びだった。ゴルフは右打ちだが、ソフトボールは左打ち。「ソフトボールの監督が『ゴルフをやるならソフトは左打ちのほうがいいだろう』と左打ちを勧めてくれたんです。多分、体のバランスなどを考えてくれての提案だったと思うけど、ゴルフにはすごく役立っている。感謝しています」。当時を懐かしむように思い出していた。
男女混合の決勝では0-11と大差をつけられていたチームのネバー・ギブアップの精神に、「最後まで諦めずに戦う姿勢に涙が出そうになった」と感動。「子どもたちのパワーは無限大だと改めて感じた。だって11点差ですよ。そこから頑張って、点を返していくなんて、すごくないですか。来年の自分のパワーに変えられます」と元気をもらっていた。
米ツアー4年目の今季は、ポイントランキング104位に終わってシード維持ならず。Qシリーズ(最終予選会)で24位タイに入り、来季の出場権「カテゴリー15」をなんとかつかんだ。26年は主戦場を移して節目の5年目。表彰式では「みんなの頑張りがたくさんの人を元気にします。本当にありがとう」と選手たちに感謝したが、その言葉はそのまま自分へのエールとなる。「勝ちたい」。その思いを来年こそは実現し、応援してくれるすべての人に元気を届ける。(文・臼杵孝志)
