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ロス2連戦で何が起きた? 7戦で見えた渋野日向子の成長と課題

ロス2連戦で何が起きた? 7戦で見えた渋野日向子の成長と課題

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2022年5月1日 04時27分

理由の一つとして、本土初戦でも苦戦したポアナ芝が挙げられる。渋野の代名詞だった強気のパッティングは影を潜め、タッチを合わせようとすればするほど、強い芝目はそれを跳ね返す。ショットに関してもウェッジの距離感が合わず、パー5でバーディを奪えず唇を噛んだ。

予選こそ通過したが、明らかに心身の疲労が目に見えた。そして迎えたロス2戦目は今季初の予選落ち。アップダウンが強烈なコースで、グリーンも苦手と自認するポアナ芝。初日から距離感、パッティングのライン取り、タッチ、すべてにおいてうまくいかず、ホールアウト後は練習グリーンで必死に球を転がす姿があった。結局2日目の挽回も叶わずに2日でコースを去ることになったが、ここで得たのは、“足りないもの”を知ることだった。

「傾斜から打つには体幹を強くしないと」。米ツアーのなかでは決して小柄ではないが、大柄でもない。左足下がり、左足上がり、ツマ先下がりといった傾斜地からバーディチャンスにつけなければ、リーダーボードの上には立てないのが米ツアー。慣れない地で連戦、しかもすべて4日間大会と、日本では経験したことのない環境、コース、芝などが、渋野のゴルフを少しずつおかしくしていた。

予選落ち後、「悔しいけど切り替えて」と厳しい表情でコースを後にした。7戦に出場し2位、4位、8位と結果だけを見れば上出来どころか、来季のシードもほぼ確定させている。それでも「自分を認められない」と、さらなる高みを見る目はするどくなった。優勝争いから予選落ち。やるべきことは山ほどあるのだろうが、はまれば頂点が見えることも分かった。わずか2カ月でこれだけ経験できたことは間違いなく収穫といえる。

一度日本に戻って「犬に会いたい(笑)」とリフレッシュし、6月から始まるメジャーシーズンには、新たな渋野で戻ってくるはず。「心と頭を整理したい」と話す通り、まずはすべてをリセットして、再スタートを切ってほしい。(文・高桑均)

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