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初海外、初メジャー、初優勝 渋野日向子の栄光は“思い切りの良さ”から生まれた【19年プレーバック】

初海外、初メジャー、初優勝 渋野日向子の栄光は“思い切りの良さ”から生まれた【19年プレーバック】

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2021年8月18日 12時00分

全英の開催コースとしては珍しい林間コース。日本にもよく似た風景のなか、練習日から終始リラックスムードを漂わせ、大舞台の雰囲気を楽しんでいた。目標はあくまでも予選通過だった。ところが大会が始まると、そんなプロ1年生の無欲のプレーがバーディ量産という形で爆発する。初日は前半こそ静かにスタートしたが、後半に入ると3連続を含む6つのバーディ。初日から7バーディの固め打ちだった。

「なんでこんなにバーディが獲れてるの? という感じ」と自身も驚きのプレー。1打差の2位発進を決めると、渋野に注目が集まった。初日ほどではなかったが、4バーディを奪い、2位のポジションをキープして決勝ラウンド行きを射止めると、海外メディアが関心を示す。

「このスコアで回れたことがビックリ」と、目標としていた予選通過どころか、上位争いの真ん中で週末行きを決める。そしてなにより、「全英はリンクスだと思っていた(笑)」など、その言葉が現地の笑いと興味を誘う。世界中のゴルフファンに笑顔を届ける姿も話題を呼んだ。このときも渋野はまだ、楽しんでいる様子でメディアに対しても受け答え。プレッシャーもないと話していた。

決勝ラウンドに進むと、大会は一変する。その一つが一組2人の組み合わせ。さらに、渋野は最終組に組み込まれ、スタート時間が経験したことのない午後の遅い時間。「お腹がすく」と笑っていたが、なんとこの3日目に首位に立つことになる。

序盤からスコアを伸ばせない状況で、逆に1つスコアを落として怒りを露わにすると、後半の出だしで起死回生のバーディ。その後もバーディラッシュを見せ、終わってみればこの日だけで8バーディ。同組のアシュレー・ブハイ(南アフリカ)を抜き去り、リーダーボードの一番上に立った。

「食べたものが出そう。今まで経験したことのない感情」と表現したメジャーでの首位。そして、ここで初めて渋野は“優勝”の2文字を意識した。「攻めていかないと優勝はない」と断言。運命の最終日を前に気持ちは昂ぶっていたが、3日間と同じ攻める意識をもって臨むと誓った。

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