後半になって優勝争いが一気にヒートアップしたのはグランドの部(58歳以上の部)だ。
ハーフ終了時は首位に1打差でスタートした、最終組の前を回る倉本昌弘(60歳)が一歩抜け出していたが、11番で痛恨のダブルボギー。首位タイスタートで最終組の初見充宣(63歳)が、15番まで5ボギーをたたくも5バーディで取り返す粘りを見せる中、首位と3打差スタートで最終組の3組前を回る友利勝良(61歳)、そして最終組の前で倉本と回る三好隆(64歳)もスコアを伸ばし、3人が2アンダーで並んで大詰めを迎えた。
そして、18番で3メートルのスライスラインをねじ込んだ三好が、唯一3アンダーまでスコアを伸ばし、2012年以来二度目となるグランドの部を制覇。
「4番の4パットで心が折れかけた。そこでカッカする、まだ若い自分を戒めて、いわば開き直ったのがよかったんだねぇ。この年になると何が幸いするかわからんよ(笑)。後ろの最終組が伸びていないから、もしかしたらチャンスはあるかなぁと思ってはいたけど。まぁ、プレーオフにいければいいなぁと無欲でしたよ。後半にいいパットが入ってくれたのも開き直った、無欲だったからだろうね。人間、欲をかいちゃいかんってことをあらためて知ったよ(笑)」
2005年シニアツアー賞金王の実績を持つ三好が、華麗なる逆転劇を演じた。