<ダイキンオーキッドレディス 事前情報◇4日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)◇6610ヤード・パー72>
ヤマハが6月を最後にゴルフ用品事業を終了すると発表したのが2月4日。理由は近年の競争激化、為替変動、原材料の高騰だったが、1982年に参入した国内メーカーの撤退にゴルフ界には衝撃が走った。契約プロにとっても寝耳に水だったようで、昨季メルセデス・ランキング32位で2年ぶりにシードを復活させた永井花奈も「ニュースで初めて知りました」と驚きを隠せなかったという。
男女ツアーとも開幕まで残り1カ月のタイミング。撤退まで若干の猶予はあるとはいえ、7月以降のことを考えれば、ドタバタのオフは避けられない。ただ、この日のプロアマ大会で開幕戦に向けた準備を整えた永井の場合は不幸中の幸いともいえる状況だった。
「今年はクラブ契約をフリーにしようと思っていたんです。ヤマハさんには昨年末、そのことを伝えていました。でも、契約更新の話もあったので、まさかなくなるとは思ってもいなかった。びっくりしました」
永井は東京・日出高を卒業した2016年の7月にプロテストにトップ合格を果たしたが、「卒業してからテストまでの時間がもったいない」と同年1月にプロ宣言。卒業前の2月に米下部ツアーでプロデビューし、3試合に出た経験がある。当時の用具契約先は本間ゴルフで、初優勝した17年「樋口久子 三菱電機レディス」も同社のクラブだった。
「ヤマハさんにはプロ3年目からお世話になってきました。調子が悪い時期もサポートしてもらって、感謝しています。優勝という形で恩返しできなかったことが、心残りで残念。なくなるのは寂しいですね」
年明けから4社ほどのクラブを試していたドライバーはテーラメイドの『Qi4D LS』に落ち着いた。決め手となったのは寛容性だった。
「今の新しいドライバーはミスヒットに強くて、どれも曲がらない印象だったけど、そのなかでも特に操作性がよくて、フェースの下とヒールに当たったときのミスヒットにも強かった。3番と5番ウッドはキャロウェイを使っていたので、同じ流れも考えたけど、一番バランスがよかったのがテーラーでした。イメージ通りのフェードが打てています」
アイアンも一新した。6番はヤマハを継続するが、7番からピッチングウェッジの4本を同じくテーラーメイドの『P8CB』にチェンジ。「アイアンは替えるつもりはなかったけど、メーカーの人が試合会場に来なくなったときに、クラブが壊れたらどうすることもできない。オフ中に試そうと思ってテストしています。まだ確定ではないけど、グースネックが好きで、顔が今のアイアンに似ているのも替えやすい材料でした。ダイキンはこれでいきます」。
タイ合宿などで模索しながら、今季を戦う相棒たちを選んできた。クラブにダメ出ししたわけではなく、今後を見据え、「クラブに助けてもらわないといけない。選択肢を広げるため。保険をかけておきたかった」がフリーを選んだ要因だった。6月16日が29歳の誕生日で20代最後のシーズン。2勝目を手にするためにカードを切ったが、2本のユーティリティは昨年と同じヤマハをバッグインしている。2勝目に向けて、これからも最良の1本を選ぶ試行錯誤は続いていく。(文・臼杵孝志)
