<ダイキンオーキッドレディス 事前情報◇4日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)◇6610ヤード・パー72>
昨季はシーズン別で史上最多となる12人が初優勝を達成した。その中にはルーキーの入谷響、荒木優奈、2年目の菅楓華、髙野愛姫、稲垣那奈子が名を連ねるなど、国内ツアーの勢力図は大きく変わってきた。
小祝さくら、渋野日向子、勝みなみら1998年度生まれの黄金世代の台頭以降、世代交代は急速に進んでいるが、その流れは今年も加速していきそうだ。昨年のプロテストには22人が合格し、開幕戦となる今大会では6人がデビューする。トップ合格を果たした18歳の伊藤愛華、最終QTをトップ通過した20歳の倉林紅(くらばやし・こう)、昨年12月の「JLPGA新人戦 加賀電子カップ」を制した19歳の藤本愛菜ら魅力あふれる顔ぶれが初戦からそろった。
3度目の挑戦でプロテストに合格した宮城県富谷市出身の倉林には、『史上初』の期待がかかる。1988年のツアー制度施行前も含め、都道府県別で未勝利は宮城、石川、奈良、佐賀など10県。ルーキーでは史上2人目の最終QTトップ通過を果たした逸材に、宮城県民も注目している。
「そこは意識しています。やっぱり地元の人が一番応援してくれる。宮城でも2試合開催されるので、そこでいいプレーをして優勝できたらうれしい」。開幕戦の舞台は初めてプレーする琉球GC。2日と3日に1ラウンドずつ回り、プロアマ大会のこの日は練習場などで最終調整を行い、準備を整えた。
「グリーンは硬くて、あまりやったことがない高麗芝。攻め方をちゃんと考えないと、すぐボギーになる。しっかりマネジメントしていきたいです」
2月に行われた2日間のツアー外競技「INTLOOPグループ レディースカップ」で優勝し、賞金300万円を獲得。充実のオフを過ごし、テレビ観戦したミラノ・コルティナ冬季五輪では“チーム・ヨネックス”の活躍に大いにパワーをもらった。「ゴルフをやり始めたときからずっとです」とクラブはヨネックスを愛用しているが、五輪ではスノーボードで男子ビッグエアの木村葵来、同ハーフパイプの戸塚優斗が同社のボードを使用して金メダルを獲得。大技が決まるたびにボードの裏に描かれた『YONEX』のロゴが大きく映し出された。
「興奮しました。『あっ! またヨネックスだ』とうれしくなった。親近感もあるし、選手よりボードの方が気になっていましたね。ゴルフは岩井姉妹さんがいらっしゃいますけど、そこについていってヨネックスを広めていきたいですね」。目指すは金メダルだ。
新人戦を制した藤本は「プロテストが終わってからあっという間で、もう始まるのかという感じです。新人戦で勝てたことは自信になったけど、別物なので、仕切り直しして頑張りたい」と話した。
2月は宮崎で過ごした。重点課題はパッティング。「ロングパットをショートすることが多いので、カップを30センチくらいオーバーすることを意識してきた。目線の位置とかを工夫しています」。福岡出身で同郷でもあるコーチの辻村明志氏の指導のもと、タイヤ引きなど昭和テイストのトレーニングで体力強化を努め、「1年間戦うことができる体づくりもやってきた。そこは大丈夫かな」と自信を漂わせた。
地元・沖縄でツアーデビューする吉﨑マーナは、QTランク149位で今回は主催者推薦での出場。「デビュー戦を地元で迎えられるのは、すごく楽しみ。QTがダメだったので、出られることが決まってホッとしています」。昨年のプロテストに合格した3人の高校生のうちの1人で、2月7日に沖縄カトリック高を卒業した。昨年は12位に入ってベストアマに輝くなど、アマ時代には昨年まで4年連続で出場した開幕戦。「成長した姿を見せることができたら。優勝を目指します」と力強く話した。
7度目の挑戦でプロテストに合格した25歳・佐田山鈴樺は、脇元華の欠場により繰り上げで出場する。2月28日に出場が決まったが、「すごく出たかったけど、誰かの不幸を願うことになる。少し複雑な気持ちだけど、うれしいです」。広島国際学院高時代は金谷拓実の2年後輩。持ち前の明るい性格も大きな魅力でスターの資質は十分だ。
このほかオーストラリア出身の肥後莉音もQTランク23位の資格で出場する。大学は米国のペパーダイン大に進み、プロテストは2度目の受験で合格。日本人の両親を持つ逆輸入ゴルファーのルーキーにも注目したい。(文・臼杵孝志)
