<スタンレーレディスホンダ 事前情報◇8日◇東名カントリークラブ(静岡県)◇6530ヤード・パー72>
桑木志帆にとって、富士の麓で行われる今大会のプロアマは、来季から戦う米ツアーへの想いを強くする時間になった。「アメリカのことについて話させてもらいました。英語が話せないけど、藍さんから『向こうのキャディさんとかを使えば全然大丈夫だよ』って言ってもらえて、背中を押してもらいました」。かつて米ツアーで戦い世界1位に昇りつめた宮里藍と回ったのだが、その言葉には説得力がある。
同組でプロアマを回ることを知ったのは、前日のこと。「うれしかったですし、楽しくてあっという間でした」とほほ笑む。今年のメジャー大会「AIG女子オープン」(全英)を制したのも、「宮里藍 サントリーレディスオープン」で優勝して出場権を得たことがきっかけ。まさに“縁深い人物”だ。
「異国で分からない部分も多い」という不安も抱えているが、「楽しかったことが伝わってきたので自分も続きたいと思いました」と、一気に前向きになることができた。
それは宮里にとっても、有意義な時間だった。自分の冠大会がメジャー女王誕生につながったことを聞かれると、「もう…足を向けて寝られない」と笑う。「サントリーさんも目標として『神戸から世界へ』とやってきた。こんなに早く桑木さんが達成してくれて、本当にうれしいですよね」というのがその理由になる。
楽しい時間を過ごし臨む試合は、悔しさを晴らす3日間にもなる。先週の「日本女子オープン」では3ホールにわたるプレーオフの末、申ジエ(韓国)に敗れた。「夢に出てくるくらい悔しい。夜も考えてしまう」というのが今の気持ち。「女子オープンは昔から出るのも難しいし、すごく格式の高い大会なので取りたかった」というのも本音だ。
今大会には過去4度出場。2年前は7位、昨年は3位と2年連続で上位に入っている。本人も「以前、所属していた岡山のコースがアップダウンがあって、それに近い。いい印象です」と話す。さらに全英後の7試合を見ると、優勝1度を含むトップ3入りが5度と高度の安定飛行が続く。今季4勝目の期待も自ずと高まる。
宮里も「来年のアメリカツアーに向けて、モチベーションは高いはず。ケガだけはしないように、体調に気をつけて頑張ってもらいたい」とエールを送る。眼前に富士山を望むコースで、一歩ずつ着実に、優勝、そして女王への道を歩んでいく。(文・間宮輝憲)
