ツアーでもかなりの口下手で照れ屋だが、頑張って周りにアドバイスを求めた。とりわけ自分に足りないと思っていたパッティングは、鈴木愛にはじまり、通訳を介する必要があるイ・ミニョン(韓国)までひたすら聞いて回った。岡山を突き動かしたのは、「2位じゃ誰も名前を覚えてくれない」という思い。「レギュラー3年目。今年勝てなければズルズル行ってしまう。まさに勝負の年だった」。
優勝してみて振り返ってみれば、「負けて学んだことも多いし、悔しい気持ちを持ち続けた。だからこうして勝てたのだと思う」。これまでの惜敗の歴史は、決して無駄な時間では無かった。「まだまだ弱気な部分があるので、自信を持ってもっとアグレッシブにバーディをたくさん獲れるゴルフをしたい」。会見中も話している途中で下を向いてしまう、恥ずかしがり屋のサクセスストーリーは始まったばかりだ。(文・秋田義和)