さらに大会期間中は初日の朝こそ雨が降ったが、それ以降は半袖でも汗ばむほどの五月晴れが続いた。この天候により、「スティンプメーターが13フィートくらいになっているんじゃないか」という可能性も細川は指摘する。これに難しく切られたピンポジションも相まって、“難攻不落のグリーン”が選手の前に立ちはだかっていた。
3日目の夜中と最終日の早朝には、「強い日差しのせいで、グリーンがセッティングよりも硬くなることを避けるため」(原田委員長)グリーンに水を撒く措置もとられた。これもあってか、3日目わずか3人だったアンダーパーの選手は17人に増えた。しかし首位を独走していたジョンウンが最終日にガクッとスコアを落とすなど、最後まで一筋縄ではいかないコースだったのは明白だ。
出場選手がボギー以上のスコアをたたいた回数は「1647」。これは同じく西コースで行われた昨年の「1508」と比べて139も増加した。そんな今大会では、「我慢のゴルフ」が選手の合言葉のようにもなった。無理に攻めるのではなく、パーでしのぎながらチャンスをうかがう。これができた選手が上位に顔を出す展開となり、それが最後に訪れた大逆転劇の伏線にもなった。
ただ、ラウンドを眺めながら、こんな思いも湧きあがってきた。浮かれ気分満載のゴールデンウィーク。小さな子供もたくさん来場していただけに、胸のすくようなバーディラッシュや、スコアの伸ばしあいといった、“誰の目で見ても分かる”展開もありだったのかな、と。(文・間宮輝憲)