ちなみに新人に近い選手のなかで、最終日をアンダーパーで回ったのは勝のみ。最終日に勝負の分かれ目は、やはり経験か。高校1年の2014年「KKT杯バンテリンレディス」で優勝を果たし、高校3年間でもレギュラーツアーを経験してきた勝は「スコアメイクの仕方や勝負どころも一番理解しているルーキー」とキャリアの違いを見せつけた結果となった。
■スイング改善&体力強化で安定感が増したフェービー・ヤオ
若手が脱落していくなかで、比嘉真美子とフェービー・ヤオ(台湾)が安定したプレーを見せてトータル12アンダーで並んだ。最終的には、ヤオが2014年「フジサンケイレディス」以来の4年ぶり優勝をつかんだが、要因は、昨年とは大きく変わったスイングだと辻村は見る。
「以前は"体力負け"しているイメージがあり、インパクト付近で"立ち上がる"スイングで、結果、手元の詰まりが見られました。ですが、今年は開幕にあわせてトレーニングを行い、4〜5キロほど体重を増やしたことでスイングの軸がしっかりしていた。振りぬきがスムーズになり、ショットが上手くなったと感じましたね。最後まで振り切れる体幹が作れたのだと思います。飛距離も伸ばしていて、プレーオフでは飛ばし屋の比嘉さんに置いていかれていない感覚がありました。力強さが出ていて、いまはショットに自信を持っていると思います」(辻村)
敗れた比嘉は、普段から辻村が指導する選手。3日間すべて「68」でラウンドし、最終日もノーボギープレーと安定感を見せたものの、最後のプレーオフでは、悪いクセが出ていたという。以前は、腕の力でスイングをする傾向があり、インパクトのポイントが安定せず、ショットの精度が落ちてしまっていた。現在は課題として取り組んでいる最中だが…