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手首痛、病み上がりの満身創痍も… 藤田さいきが超高速グリーン攻略で“レジェンド”からお褒めの言葉

15年ぶりのメジャー制覇へ。藤田さいきが単独首位発進を決めた。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2025年5月9日 07時30分

右手首にはテーピングも。藤田さいきが満身創痍のなか首位発進した
右手首にはテーピングも。藤田さいきが満身創痍のなか首位発進した (撮影:福田文平)

<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 初日◇8日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6665ヤード・パー72>

2011年の「ダイキンオーキッドレディス」以来の単独首位発進。14フィートを超える高速グリーンを攻略し、6アンダーをマークした藤田さいきは「完ぺきだと思います」と、納得の表情を浮かべた。

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とにかくパターが決まった一日。後半の4番では上ってから下り、かつ切れるラインの6メートルをねじ込んだ。最終9番も9メートルのパットを沈めてバーディ締め。これ以外にも、しぶとくパーパットを決め続け、今季メジャー初戦でリーダーボードの最上位に名前を載せた。

この日は、ツアー通算50勝を誇る不動裕理とラウンド。そのレジェンドからも、「よく入ってたね」と“褒められる”ほどのグリーン上のプレーだった。ラウンド後には、「不動さんが『私の後半のパット数より少ないんじゃない?』って言っていて…」と“恐縮”するシーンも。この日のパット数を見ると、藤田が全体1位の『22』だったのに対し、不動の後半は『20』。藤田の驚異的な数字に不動も舌を巻いたわけだ。そして難グリーンでこれだけ決まれば、自ずと順位も上になる。

それでも「不安しかない」という気持ちは消えない。先週の「パナソニックオープンレディース」は、第2ラウンド途中で右手首痛のため棄権。さらに、週末は最高39度まで上がる高熱で寝込んだ。テーピングが巻かれた右手首は「どうにかしてほしい」とトレーナーに懇願し、ハリ治療を施した。体調面も完治とはいかず、プロアマ前夜祭を欠席し、本戦に入っても声もかすれ気味という状態だ。「練習ラウンドはできずに、(開幕前に回ったのは)プロアマだけでした」。満身創痍のコンディションが、そんな“不安感”の理由になっている。

右手首痛は初めての経験。「疲れが溜まって、スイングの時、右手だけで振っていたのかもしれない」という部分に原因を求めている。そのため、本来であれば初日から会場入りする予定だったコーチを務める兄に、急きょ開幕前日に来てもらいスイングをチェック。さらにスタート前の朝練習では、会場を訪れていた男子ツアー通算16勝の伊澤利光からもアドバイスをもらうことができた。「緊張感がありましたね」。不動とのラウンド、首位発進…、とにかく“濃い一日”を過ごした。

通算6勝の藤田は、10年の「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」でメジャー優勝も果たしている。15年ぶりとなる2冠目も視野に入るが、「きょうができすぎなだけ。4日間通じて、きょうに近いゴルフができれば」と、気負いはない。まずは体調を整え、いい位置で週末に向かっていく。(文・間宮輝憲)

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