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“成功体験”を増やして今季初の予選通過 ツアー13勝・成田美寿々が復活に向けて「大きな一歩」

“成功体験”を増やして今季初の予選通過 ツアー13勝・成田美寿々が復活に向けて「大きな一歩」

所属 ALBA Net編集部
小高 拓 / Hiromu Odaka

配信日時:2022年5月29日 18時58分

井上透コーチと二人三脚で修正を図り、「アイアンショットは全盛期に近い。ほぼパーフェクト」(井上コーチ)までに復調。残りの課題はティショットだ。今週、帯同キャディを務めた井上コーチはロープ内で再確認した。

「技術じゃないんです。どんなにいいスイングをしても、気持ちでボールは曲がってしまいます。元々ドライバーが得意で何も考えずにビシッと打っていた頃のように戻るのは、簡単ではない。イメージが湧くホールで、イメージが湧くことをやるのが一番の解決策。その成功体験を重ねることが大切です」(井上コーチ)

野球で例えると、投手がストレートやカーブでストライクを取れなくても、シュートボールでストライクを取れるならば、それを投げればいい。ゴルフもドローがダメならフェード、ドライバーがダメなら3番ウッドと、ホールに合わせてイメージの湧く球筋で、フェアウェイやコース内に止まるボールを打てばいい、という。

「2年半、失敗体験やりましたから」と自嘲気味に話す成田。今大会はコース内に飛ばせるイメージが湧かないホールでは、ドライバーを握らずに3番ウッドを選択した。すべてが振り切っての会心の当たりではないが、第3ラウンドはフェアウェイキープ率100パーセントをマークするなど、多くの成功体験を得られた。

順位的には初日の15位から徐々に落として52位タイとなったが、「予選を通って50番でも、通り続けることで順位も上がってくると思います。今のテーマを積み重ねることが大事ですね」(井上コーチ)。次戦以降も、同じテーマを持ってティショットの成功体験を増やす作業が中心となる。

予選落ち続きから脱却した今週。「ドライバーがどこでも打てるように回復するまでは…長いかな。でもこの試合は大きな一歩です。まだ30歳になっていないから、頑張ろうかなって気にはなっています」。何も考えずに気持ちよくドライバーを振り切る若手をうらやましく思いながら、成田は着実に復活ロードを歩いている。(文・小高拓)

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