こんなに短くクラブを握るのが田辺ひかり流【連続写真】
19年シーズンは獲得賞金0円。16年のプロテスト合格後からの4シーズンは、常に賞金ランク3ケタだった田辺が、昨季覚醒した。4264万4632円を稼ぎ出しランキング42位。昨シーズン開幕前までの生涯獲得賞金が236万9000円だったことを考えても、まさに飛躍の1年半になったといえる。さらにメルセデス・ランキングも43位。文句なしで初シード入りを果たした。
20年のメジャー大会「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」で、一気に視界が開けた。3日目を2位タイで終えた田辺は、最終日の最後の最後まで優勝の可能性を残しプレー。結果的に2位タイのまま終わったものの、ここで1453万3333円を稼ぎ、この時点で2回のリランキング突破が確実になった。QTランク46位でスタートしたシーズンのほとんどを、レギュラーツアーで過ごせるのが決まったことになる。
勢いは年を越しても持続し、21年初戦の「ダイキンオーキッドレディス」は3位でフィニッシュ。夏から秋にかけ棄権1試合を含み6試合連続で決勝ラウンド進出を逃すなど、調子を落とした時期もあったが、ことシード入りに関しては余裕をもってゴールテープを切ることができたといえる。
身長は165センチと決して小柄ではないが、グリップを極端に短く握るシャープなスイングが特徴。同じ広島出身でツアー7勝を誇る佐伯三貴から指導を受けるが、師匠は「技術は何も問題ない。あとはメンタル」と田辺を評してきた。序盤の善戦で余裕をもって戦えたことが、その“メンタル面”を整えるのに大きな役割を果たしたはずだ。
