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ツアーも“悔いのない選択“を【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

ツアーも“悔いのない選択“を【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2020年6月16日 19時10分

どちらも、まずは第一歩を踏み出すことを決めたのは、歓迎すべき状況だ。それを二歩目、三歩目にどうつなげられるか。現状では、主催者(スポンサー企業)に対して、リスク管理の確かさを担保して開催に踏み出してもらう努力が必要になってくる。そのためには、説得する側の覚悟が問われる。

無観客ながら先週、「チャールズ・シュワブ・チャレンジ」で再開した米ツアーも、地域によって状況次第で観客を入れたり、入れなかったりとフレキシブルに対応しながら、それでも試合を行う方向で前に進んでいる。その方向性が見えることで、試合に関わる人々や周囲の態度も変わってくるだろう。

渋野は、スケジュールも大きく変わった今年の海外メジャーへの出場や、今後の米ツアー挑戦について聞かれて「悔いのない選択をしたい」と答えたと報じられている。

周囲をおもんぱかったり、人の気持ちを斟酌(しんしゃく)することは大切だ。しかし、周囲への忖度ばかりで自分の気持ちを後回しにしているのでは“悔いのない選択”は決してできない。昨年の「全英AIG女子オープン」優勝で一躍スーパースターになった渋野は、日本のどの試合でも引っ張りだこだ。だが、それに忖度ばかりしていては、大きく羽ばたくことはできない。

試合がなければ、渋野のような若く可能性のある選手でも活躍する場がないことになる。ウイルス感染拡大防止が大切なのは当然だし、まったくリスクがない状況も当分なく“正解”はどこにもない。だからこそ、大事なのはその中でどう、腹をくくるかになってくる。

ツアーが前に進むためには、選手個人ではなく、各大会開催に向けても「悔いのない選択」をしていく必要がある。それを、この先どんな風に見せてもらえるのか。今年一年だけの話ではなく、長い目で見た将来もかかっているだけに、重要な局面が続いて行く。(文・小川淳子)

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