■アマチュアはベストショットから、プロは最悪のミスから考えている
そんなプロキャディ、プロコーチ、アマチュアを教えるインストラクターという様々な顔を持つ栗永氏に『プロとアマチュアのコースマネジメントの違い』を聞いてみると「プロは最低から考えて、アマチュアはベストから考えがち」という。
「スコアを考える上で減らさなきゃいけない3つがOB、池、3パット(120くらいが目標スコアなら4パットでも可)です。プロはミスが起きてもその3つが起こらないようにマネジメントしています。でも、アマチュアは逆で最高の結果を求めすぎ。持つ番手も“ナイスショット”が打てたときにピッタリのものを選ぶ傾向があります。あれだけショットが曲がらない片山晋呉さんでも、行ってはいけないところを考えて、ミスしてもそっちに行かないように攻めていました(栗永氏は昨年と一昨年のABCチャンピオンシップで片山のキャディを務めた)。基本はグリーンセンターでピンは狙いません。試合中は『俺がピンを狙おうとしたときにリスクが高いと思ったら止めてくれ』と言われていたくらいです」
もう一つ、栗永氏がアマチュアゴルファーのスコアアップの近道と考えているのが、目標スコアを逆算した攻め方を徹底することだという。
「例えば、ベストスコアが120の人が110を切りたいとしましょう。10打縮めなければいけないと思うかもしれませんが、全ホールダブルボギーでも108(72+36)。2つ貯金があるんです。そう考えれば、毎ホールトリプルボギーを打たないようにすればいいだけ。ティショットを林に打ち込んでも出せばいいし、フェアウェイバンカーに入れたってまだ余裕はある。とにかくOBにならないように打てばいいんです。OBに入れたらダボ以上はほぼ確定ですからね」