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ゴルフのイメージを変える必要性【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

ゴルフのイメージを変える必要性【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2020年4月29日 07時00分

屋外練習場も、打席を離したり、窓や屋根があればできるだけ換気を良くしたり、待合室が混雑しないような形で営業を続けている。しかし、それでも、日々の感染者の数とともに、多くの人々がゴルフをする姿がテレビのニュースで流され続けている。「こんな事態なのにゴルフなんかして」という声も、あちこちから聞こえてくる。

それはゴルフに対して、いいイメージを持っていない人がたくさんいるからだ。「自然を壊してコースを造る」、「金持ちのスポーツ」、「限られた人たちだけが広大な土地を独占する」、「お金がかかる」…。いずれも、ゴルフ業界が作り上げてしまったイメージだ。バブル経済崩壊後、多くのゴルフ場はもっと大衆的になっている上「ゴルフ場こそに里山が残されている」という説もあるほどだ。だが、ゴルフ業界の中には以前のイメージを払しょくしようとしない層がいる。だから、いつまで経っても、現状とは違うゴルフのイメージが残り続けてしまっている。

サーフィンや登山もやはり自然の中でするスポーツなのに、自粛をしなくてはならなくなったのは「遊んでいるから」ではない。大きな移動を伴い、人が集まることで感染リスクが増大するからだ。あなどった行動をすれば、ゴルフでも、同じことは十分に起こり得る。公共交通機関で遠くまで行ったり、大勢が集まってリスク回避に気を使わなければ、感染を広めてしまう。現在のところそうなっていないのは、ゴルファーやゴルフ場の姿勢あってのもの。油断は禁物だが、運動不足を解消できて、ストレスを発散できる貴重な場となっている。

ツアーが開催できない時間が長くなり、プロゴルファーの多くが自らさまざまな発信を始めている。“Stay home”でできる練習法やトレーニング。ファンへのメッセージ。プロ同士のやりとり。チャリティ活動をしているプロもいる。ゴルフがつなぐ素敵な縁だ。このつながりを、もっと多くのノンゴルファーたちにも伝えること。プロゴルファー、ゴルフ場、トーナメント関係者、ゴルフ団体、メディアなど日本のゴルフ業界が抱え続けて来た大きな課題。それが、今、浮彫となっている。「ゴルフなんて」ではなく「ゴルフなら」という認識がより多くの人に広がるための唯一の手段だ。

人々を痛めつけるのはウイルスだけではない。感染拡大の恐怖と経済的にも先の見えない状態の大きなストレスのダメージも大きい。プレーすること、見ることで得られるスポーツの底力を、今後に向けて蓄えるためにも、いま火を消してはならない。(文・小川淳子)

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