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名勝負を制した原英莉花の裏で 泣いたのはプロ、淡々としていたアマ【記者の目】

名勝負を制した原英莉花の裏で 泣いたのはプロ、淡々としていたアマ【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita

配信日時:2019年6月4日 07時01分

また、プレーオフ1ホール目で原に「私なら絶対に入らない」と言わしめた6mのパーパットを沈めるなど、最後まで食らいついたソンウは、終わった後「今日は原さんの日。おめでとうと祝福しました。力が及ばなかった」と淡々と振り返っている。

一方、今大会活躍した原と河本は闘志むき出しの生粋のファイターだ。「目の前に敵がいるのは嫌いじゃない」と原が言えば、河本も初日から「勝つことだけを考えてやっている。最後は気合いで勝ち取れればいい」と話すなど、気持ちで優勝をつかみ取りに行くタイプ。もちろん自分のゴルフが大事だが、なにより相手を超えることが一番だ。明確に“敵”という表現を使ったことからも、そのことが感じられる。その分、感情表現も大きい選手が多い。

ファイター2人と自分のゴルフをする2人。そのコントラストが勝負をより鮮やかに彩った。バーディを奪うたびにガッツポーズをする原と河本、淡々と笑顔を浮かべながらプレーをするソンウと古江。もちろん原と河本にも笑顔はあったし、後者の2人もガッツポーズしていたが違いは明らかだった。まさにイデオロギーのぶつかり合い。原とソンウ、河本と古江と異なるタイプ同士が同じ組だったことも、対比をより際立たせた。

以前、三ヶ島かなと企画で対談したハマの番長こと三浦大輔(現・横浜DeNAベイスターズ投手コーチ)は、ファンサービスについて聞かれた際にこう言った。

「色々な個性があっていい。完全なツンデレなキャラなら、ツンデレを貫くキャラをつくってほしいし、常に笑顔でいるキャラも必要。ほかには誰もいないようなキャラをつくったほうがいいよ。みんな一緒だったら面白くないもん」。

名勝負は優勝者だけでは作り得ない。スコアだけでもダメ。敗者たちにもまたキャラクターがあり、ドラマがあってこそ作り出されるのである。それがうまく交わったからこそ、今大会は名勝負たりえたのだ。

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