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【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】3・11で改めてアスリートが感じるべきものは

【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】3・11で改めてアスリートが感じるべきものは

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2019年3月12日 18時34分

東日本大震災から8年、熊本地震から3年。プロたちは今でも、その時にかみしめた「プロアスリートの役割」を、常に意識しているだろうか。日ごろから、ファンを笑顔にしたり、エネルギーを与える存在。それがプロアスリートではないだろうか。だからこそ、お客さんが来てくれて、スポンサーもついて、プロとしてやっていける。災害のあった時だけではなく、常日頃から、そのことを忘れないでいて欲しい。震災の日はそれを改めてかみしめることができる日でもある。

一方、日本政府は「被災地が復興を成し遂げつつあることを世界に発信する」(『復興オリンピック・パラリンピックに係る政府の取り組み』より)というスタンス。東京五輪を復興五輪と位置付けている。これに違和感を感じるという声は、あちこちから聞こえてくる。当然だ。五輪のために東京周辺に建設関係が集中し、被災地の復興にはむしろ支障をきたしているという現状だけでも『復興五輪』を掲げるのはおかしな話だからだ。

アスリートにとって、五輪を含めて試合は極めて大切なパフォーマンス披露の舞台なのはいうまでもない。だが、それを目指す以上、その意味するところをしっかりと考えて欲しい。アスリートやアーティストが政治的な発言をすることをタブー視する悪しき風潮が、日本にはある。しかし、世界のアスリートを見ればわかるように、責任を持って自分の意見を表に出すことは、影響力の大きい存在であればあるほど大切だ。そのことを常に考え、視野を広く持つことが、アスリートとして、人としての成長につながるはずだ。(文・小川淳子)

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