パイオニアとして女子ツアーのネット中継に力を注いできた立場から、LPGAがツアー全体のネット中継をすることに関してはどう考えているのだろうか。「『自分たちを実験台にしてくれ』とずっといっているんです。いいものはマネしてくれればいい。(シーズン)39試合に横串を指すようにしてネット中継できるのはLPGAしかいない。それができれば喜ばしいことだと思います」(高原氏)。「この試合が高いレベルの基準になってくれればいいなぁ、と思います。ただ一つ、危惧するのは各大会の差別化をどうするか、でしょうね。我々は大会の内側からの発信だから大会に対する愛がある。全試合でそれができるのかどうか。もう一つ、LPGAさんはネット中継を若い人向きととらえているようですが、現実としてはネットもテレビも見ている層は変わらないですよ」(佐草氏)。そろって、ツアーの発展に協力を惜しまないという姿勢を見せている。
ネット中継を作り上げてきた人々のこの思いを、いつの日かLPGAがきちんと受け止め、より良い形でファンに届けることができるのだろうか。将来を見据えた権利の主張はもちろん大切だ。しかし、地に足のついた形でかつ、長い目で物事を見る必要を感じる。(文・小川淳子)