切り返しでの下半身始動は、上半身の起き上がりにつながりやすい。だが、岩崎の場合「胸を右サイドに向いたまま左へ踏み込んでいるので、前傾姿勢をキープして球をつかまえています」と、石井は続ける。
そして、「胸板の正面に近いところにクラブが常にあり、クラブの運動量が多すぎない。このスイングは体のパワーが必要になってきますが、打球が安定するんです。パッティングのめちゃくちゃフルショットのイメージで、岩崎選手は振っています」と、クラブがずっと体の正面にあるから安定していることを強調した。
岩崎は上半身と下半身の引っ張り合いでパワーを発揮し、クラブの運動量を抑えて下半身で打つことで飛んで曲がらない。そのスイングでプレーした22年シーズンはドライビングディスタンスとフェアウェイキープ率をポイント換算したトータルドライビングでは6位。ドライビングディスタンス部門の上位選手のなかではトップに位置し、飛んで曲がらない安定感の高いティショットを放っている。
昨年は大いに存在感を示した岩崎。初優勝もそう遠くないはず。今年の活躍にも期待したい。(文・高木彩音)
■石井忍(いしい・しのぶ)1974年生まれ、千葉県出身。東京学館浦安高等学校、日本大学のゴルフ部で腕を磨き、98年プロテスト合格。2010年にツアープロコーチとして活動を始め、多くの男女ツアープロを指導。また「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアへの指導にも力を入れている。
