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ジャンボ尾崎「何の拍手? まさか“エ”じゃないよね」【ゴルファーのことば】

常に真剣勝負に身を置き、戦いを続けるゴルファーたち。過酷な環境でクラブを振っているからこそ出る力強い名言、ウィットに富んだジョーク、そしてちょっぴり天然な迷言たちがある。そんな“ゴルファーのことば”を紹介。

配信日時:2022年2月9日 17時00分

「何の拍手? まさか“エ”じゃないよね」

プロ通算113勝。国内男子ツアー賞金王12回。ジャンボ尾崎の偉業は数知れずだが、2013年「つるやオープン」の快挙も忘れてはいけない。

当時66歳のジャンボの第1ラウンドは1番からのスタート。3番でバーディを奪うと5番から怒涛の4連続バーディで折り返す。年齢以下のスコアで回る、エージシュートの予感に会場がざわめきだす。

後半も勢いは衰えず16番までに3つ伸ばすと、圧巻は17番パー5。2打目をピン奥7メートルに乗せると完璧なストロークで流し込んでイーグル。バンザイの後に往年の刀を鞘に納めるポーズからの“コブラ”ポーズも炸裂。「意識していたわけではない。ティショット、セカンド、パットと3ついいものが続いた結果だからうれしいよね」と無意識のパフォーマンス。18番はボギーとしたものの、1イーグル・9バーディ・2ボギーの「62」。年齢を4つも下回る圧巻のスコアでレギュラーツアー初のエージシュートを達成して単独首位に立った。

選手やギャラリー、関係者がざわつくなか行われた記者会見。拍手でジャンボを迎えると「なんの拍手? スコアに対しての? まさか“エ”じゃないよね」とスコアには文句のつけようはないが、史上初の快挙のエージシュートという言葉には喜びは見せない。

「エージシュートを目指してゴルフはしてない。ただ、66というスコアは出したいという気持ちはある。それだけの違い。いいゴルフをすれば5アンダー、6アンダーとか出てくれないとレギュラーツアーでやっていこうということはできないからね」。

50歳以上が出場資格のシニアツアーには参戦せず、生涯レギュラーツアーを貫くジャンボらしい考えである。当時、持病の座骨神経痛に苦しめられていたが、シーズン開幕前には、柔軟性を上げるトレーニングに重点を置いたり、ミリ単位のクラブ調整などを行った。28試合ぶりの予選通過となったがレギュラーツアーへのこだわり、66歳にしてのたゆまぬ努力の成果である。

ちなみに4日間戦うと51位タイに順位を落としたが、頂点に立ったのは松山英樹。プロ転向2戦目でのプロ初優勝だった。ジャンボが予選を通過したのは、この試合が最後。ジャンボに始まり、松山で終わった運命的な試合でもあったのかもしれない。

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