冷静沈着に、自分のゴルフを貫ける男。それが久保田の強さの秘訣のようだ。しかし、この状況に黙っていないのが並みいるプロ達だ。1打差の2位につける時松隆光は、「参加するプロは、みんな意地で、まくってやると思っているはず。僕もそう思うので、コツコツと上に行きます」と意地を見せる。また、2打差3位の今平周吾も「負けられないし、負けたくない」と闘志を燃やした。
自身も高校1年時の2007年に「マンシングウェアオープンKSBカップ」をアマチュアとして制している石川遼は、開幕前に「アマチュアのなかから1人でも優勝争いをする人が現れて欲しい」という期待を口にした。まさにその状況が、今訪れている。
今大会で久保田が優勝を果たすと、石川のほか、倉本昌弘(80年「中四国オープン」)や、「憧れの人」と話す松山英樹(11年「三井住友VISA太平洋マスターズ」)に続く4人目の快挙となる。松山の優勝は「中学生のときにテレビで見ていて、規格外の人だと思った」と話していた久保田。それを今、自らの手で成し遂げようとしている。(文・間宮輝憲)