8月8日に行われた男子プロ、シニアプロ、女子プロ、アマチュアの4つのクラスが1つの試合になった東北最大のゴルフイベントとして知られるツアー外競技「岩手県オープン」は、今年が24回目の開催と、着々とその歴史を刻んでいる。その大会でプロデューサーを務める株式会社バーグル代表取締役の金谷嶺孝氏は、プロゴルファーとして競技の道を歩んだ後、複数の事業を手掛ける経営者へと転身した人物だ。
30歳で競技生活に一区切りをつけ、現在は岩手県内のゴルフ場などを経営。「一人でも多く、アマチュアゴルファー、ジュニアゴルファーを増やしたい」という思いを胸に、地元・岩手のゴルフ界を盛り上げている。そんな金谷氏が、明治大学時代の先輩であり、国内男子ツアー通算8勝を挙げている深堀圭一郎と対談。互いの歩みを振り返りながら、プロゴルファーのセカンドキャリア、そしてゴルフを通じた地域貢献について語り合った。(取材/編集・高木彩音)
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中学時代の全国大会には、深堀のほか、伊澤利光、川岸良兼、同学年には丸山茂樹といった実力のある選手が勢ぞろいしていた。そうした環境のなかで、「ゴルフがうまくなりたいなら関東に行かなければいけない」と感じた金谷氏は、地元の岩手県・盛岡市を離れ、埼玉県の高校へ。その後、明治大学へ進学した。その理由の一つにあったのが、「憧れている深堀さんの存在」だった。
30歳で一度競技から離れ、ビジネスの世界へ。現在は、岩手県オープンが開催されたきたかみカントリークラブなどを経営する実業家として忙しい日々を送っている。一方、深堀は国内シニアツアーで活躍しながら、レギュラーツアーの解説なども行うなど、ゴルフ界で幅広く活動中。道は分かれたものの、敬意を払い合う2人が、これまでの歩みを振り返った。
■道は分かれたが、互いを尊敬し合う存在
【金谷】(以下、金):深掘さんの大学時代の印象は、もう本当にスーパースターという感じでした。
【深堀】(以下、深):いやいや…。(ほほ笑む)
【金】:本人は謙遜するんですけど、僕らから見たらずっと背中を追いかける存在で、僕が先輩を追い越したことは一度もありませんでした。顔を見るよりも背中を見ている時間のほうが長かったくらい、ずっと追い続けてきました。「ああいう選手になりたい」と思いながら、ここまでやってきました。
【深】:たぶん、そのときの金谷に比べて今の金谷は想像もできないくらい大人。経営者になり、成功者というよりも、目標に向かって頑張っていて、その姿勢は、すごく誇らしい。
【金】:先輩は技術的な師匠というよりも、精神的な師匠であり、人生の師匠。いまの自分があるのは、先輩であり師匠のおかげです。
【深】:いやいや、(金谷氏は)大社長ですから。
(編集部:昔の金谷さんはどのような方なのでしょうか?)
【深】:高校3年から大学1年に上がるときに、OB会かなにかがあって、そのときに金谷が紹介されるシーンがあったんです。そこで初めて名前、顔、その存在を知って『おお!』と思いました。もうね、今の金谷を知ってる人からすると、ひっくり返るぐらいのやんちゃさ(笑)。
【金】:周りの環境ってあるじゃないですか。僕が行った高校は、けっこうやんちゃな方がいて、それが普通だったんです。
【深】:でも“やんちゃ心”っていうのは、何かを達成するためにすごく大事なことだと思う。好奇心や、行動力がある。それをエネルギーに変えていけばいい。実際、今そこに向かっていることはすごいこと。
【金】:ありがとうございます。
【深】:いろいろな道に進む人はいるけれど、あそこ(30歳でビジネスの道へ)で1つの決断をして、自分の新しい道に1歩踏み出して、それを必死にやっている。大事なところがきっちりしていて、人に任せてなんとなく経営しているのではない。他のことをしっかりやりきりながらやる、そんな人ですね。
