研修生になって3年でプロテストに合格。その知らせを受けた父は褒めることなく「やっとスタート地点に立っただけだ」と発破をかけた。しかし、その後はツアーの出場権をかけた予選会では成績を残せず、レギュラーどころか下部ツアーの出場の道も遠かった。昨年、今大会のマンデーでは「79」の大たたき。「ここまでは(プロの世界は)厳しいと感じています」と父の言葉どおりと話す。
身長164センチと大柄ではないが、ドライバーの飛距離は290ヤードでパッティングを得意とする。沖縄育ちということもあり、「父からは風が吹いたときの球の操作の仕方を教わりました」と風の日を得意とする。マンデーは強風が吹き、1年の成長を見せつける形でトップ通過を果たした。
本戦出場を父に報告すると「俺も勝っているから、勝っちゃえばいいじゃん」とエールを送られたが、「初めてなんで…段階を踏んで…まずは予選突破」と謙虚に話すが、「推薦でマンデーに出させてもらって、オヤジが勝った試合でツアーデビューするというのは、もっているのかなと思います(笑)」と内心は大きなチャンスをつかむ気持ちもある。
レギュラーツアーの試合を親子で制した例は過去に“ゴルフ界のドン”と呼ばれた杉原輝雄と息子の敏一の一例のみ。メイソンの将来の目標は「父を越えたい。ツアー5勝以上」。見つめるのは今季3勝を挙げ、ツアー通算5勝目を挙げた同郷の先輩であり、身長158センチの比嘉一貴だ。中学時代に一度ラウンドしたことがあり「当時から別格でした」と雲の上の存在だったが、「今はもっとすごくなっています。僕も頑張り次第では可能性はなくはないと思っています」と大きな刺激を受けている。
ゴルフのモットーは「一言でいえば平常心」。バーディやボギーにも一喜一憂せずに「ロボットみたいなプレーをしたい。落ち込むだけ損だと思いますから」。平常心の敵はデビュー戦という緊張になりそうだ。