片岡はどう攻めたかと言えば、右からのアゲインストと状況のなか、「練習していた低い球を打てた」とティショット、2打目ともに完璧に運びピン手前8メートルに。バーディはならなかったが、2パットで仕上げた。すべてが完璧だった。
最終日にこのホールをパーとしたのは37人。ボギー以下が33人とほぼ五分という状況だった。バーディを奪ったのはわずか3選手で、平均ストローク4.479は3日間最高難易度だった17番を抜いてこの日のナンバーワンだ。
そんな4つの顔を持つフィニッシングホールを含めた18ホールは多くの選手が「戦略的で面白い。距離は短いけど難しい」と語るほど評判だった。ピン位置によってコースは大きく様変わる。そんなゴルフの面白さが詰まったニューヒーロー誕生の瞬間だった。(文・秋田義和)