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『マン振り』ではなく『マン踏み』 片山晋呉がたどり着いたスイングの『正解』【片山晋呉 特別インタビュー】

『マン振り』ではなく『マン踏み』 片山晋呉がたどり着いたスイングの『正解』【片山晋呉 特別インタビュー】

配信日時:2020年2月8日 08時52分

2017年(左)と2019年(右)
2017年(左)と2019年(右) (撮影:ALBA)
2008年「日本オープン」で史上7人目となる永久シードに達した片山晋呉。現在ツアー通算31勝、今年で47歳を迎えるベテランは衰え知らずで、1997年から賞金シードを守り続けている。

これが新スイング!2019年のドライバー連続【写真】

優勝からは2017年の「ISPSハンダマッチプレー選手権」を最後に遠ざかっているが、様々な練習法や器具を使って理想のスイングを追い求め続け、平均飛距離も順調にアップ。2019年の1年間を費やして取り組んだ新スイングは『踏む』ことがポイントだと語ったが、今までと何が変わったのか。片山晋呉がたどり着いたスイングの『正解』を、スイングコーチや谷原秀人のキャディなどを務めてきた谷口拓也とともに解説する。

■たどり着いたスイングの最強理論は、“マン踏み”!
片山「自分の体重の何パーセントをボールに乗せられるか。その数字を増やすにはどうしたらいいかということなのよ、正解は。

例えば、ドラコンの選手は体重の400%がボールに乗る。体重の4倍も乗るんですよ。米ツアーの飛ぶ選手が(体重の)1.8倍から2.2倍までボールに乗る。そういうデータが出ている。日本のツアーの人で2倍くらいいく人はいないと思う。オレも全然いかないんだよね。米ツアーではみんなそれをやっているけど、日本ではその理論が知られていない」

谷口「その理論が、“マン踏み”。踏むというのは、今の日本で言うなら“地面反力”という意味合いですかね。簡単に言うと、ジャンプするときに、しゃがめばしゃがむほど高く飛べる。でも、ただしゃがむだけではダメで、ツマ先だけで踏んでもそこまで飛べない。カカトにも体重が乗って、股関節や骨盤もちゃんとしゃがまないといけないですよね」

片山「踏んだ時に一番マストなのは、左の骨盤が低くなること。今までは左右の腰の高さは平らが定番だったけど、いかに低くするか。今までみたいに左に体重移動すると、左の骨盤は高くなってしまうんだよね」

■体重配分は5:5 “ヨコ”から“タテ”の動きになったバックスイング
片山「この10年、米ツアーで明らかに変わったのはバックスイングの回し方。今まではアドレスの軸から、腰の位置を右にズラして平行移動が入った。それを左に戻す動きによって、インパクトの時間を長くしていた時代があった。今は、軸はそのままにして回す。これも数値化されているけど、米ツアー選手がバックスイングで体を回したときの体重配分は5対5。昔は7対3とか8対2とか言われていたけど、今のクラブには合っていない。

わかりやすく言うと、バランスボールを体の左側に当ててやったときに、テークバックで左の飛球線方向に圧力をかけて、ボールをつぶす感じ。右にはスライドしない。ドライバーのアドレスでは、上体を7〜11度右に傾けて、軸はそのままテークバック。切り返しでは、バックスイングで作った、アドレス時の軸と右の骨盤の間に空いたスペースを戻す作業が入るけど、この時に力が出る。これが“踏む”動作をするための動き」

谷口「今までは、左右の体重移動のヨコの動きだったものが、アドレスからテークバックに対して伸び始め、切り替えし以降がダウンして、そこからまたアップさせるというタテの動きになったということですね」

■ポイントは“カウンター”とヒザの動き
谷口「クラブの軌道はどういうイメージですか?」

片山「テークバックのイメージは、シャット。手を使わずに腰の回転に合わせて上げるから、実際はシャットに見えちゃうけど、本当は真っすぐ。ダウンスイングにかけては、物理の先生が言うには、外側にカウンターをかける(シャフトを寝かせて、ヘッドを体から遠ざけるような動き)イメージ。実際には、左のヒザを少し外側に回してあげたら、クラブは勝手にそういう風に動く。

理論を全部理解していない状態で、まねをしてやっている選手は多いけど、この足の使い方がわからずに『シャフトを倒すだけやったらいい』とか、『シャローに当てたらいい』という理由を理解しなければ、本物じゃないと思う。あとは、いかにハンドファーストで当てるか。ダウンスイングで右足で踏んで、次はインパクトで、左足で地面反力を使う」

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