もちろん、比嘉のアドレスが大きく変わっていたわけではない。しかし、数センチの違いがショットに大きく反映するツアープロの世界だけに、その気づきが比嘉のゴルフを変えたのだ。そこになぜトレーナーの成瀬氏が気づいたのかといえば、比嘉の体をケアした際、いつもと違う個所に張りがあったからだ。約30年、男子ツアーのメイントレーナーとして数多くの体とスイングを見てきた成瀬氏にしてみれば、比嘉の変化を読み取ることは難しくなかったといえる。
最終日は2位以下に3打差をつけてのスタートになるが、「バーディが先行するプレーができれば、チャンスはあると思います」という比嘉。4つのパー5できっちりバーディを奪い、ほかのホールはボギーを打たないように耐えるゴルフでツアー初優勝を狙う。(文・山西英希)
