そんな深堀の考え方も、手嶋と似通う。「風の方向を読めて、頭の中で整理して、グリーンエッジまでの距離をしっかり打てる方法があればパーは拾えます。ラフからでもどういう球で、外してもどこに置くか、それを考えていました。難しかったですが」と、安全に攻めて好機を待つ。そのスタイルを貫けるからこそ、深堀、手嶋ともに「日本オープン」を制するなど、難セッティングで強みを発揮する。
ツアーメンバーの飛距離が年々伸び続けることに対しては、年齢からくる衰えもあって、どうすることもできない。この日のドライビング計測2ホールの平均が手嶋261ヤードの133位で深堀は270ヤードの119位。飛ばなくとも、スコアをつくる見本を十分に示し、存在感を見せている。
手嶋はレギュラーツアー中心で、空き週にシニアツアー参戦。深堀はシニアツアー中心で、推薦出場でレギュラーツアー出場は限られる。それでも、「もうちょっとレギュラーでできそうだなというゴルフはしている。楽しみにしています」(深堀)。「硬いグリーンも風も好きなので」(手嶋)と、頼もしい言葉を残したふたり。アラフィフだってまだまだやれる、そんなところをあす以降も見せてほしい。(文・高桑均)