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4打差逆転は全盛期のジャンボのような勝ち方 プラン変更に見た今平周吾の強さ【ツアーの深層】

4打差逆転は全盛期のジャンボのような勝ち方 プラン変更に見た今平周吾の強さ【ツアーの深層】

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2018年10月23日 13時54分

■高速グリーンへの対応でラインをつくっていった今平

「見ていて驚いたのは、日に日にスピードが速くなっていったグリーンでも、緩まずに、しっかりと球をつかまえていたことです。タッチが強くて、ジャストタッチのパットが見られませんでした」。後半の今平は、クラッチパットがすべてスライスラインで下り。「自分でラインをつくって打っていた。それができるようになると強くなるんです」と、ツアーでは誰もが認めるショットメーカーが、パッティングでも輝きを見せた。

「ショットは元々安定しているし、飛距離も出ます。アプローチもバリエーションがあってうまいし、難度が高いものもうまくこなします。ショットがうまいから余計にパッティングがフォーカスされてきましたが、グリーン上でもこういう勝負ができるようになれば、抜けていく存在ではないでしょうか。パターを変えたりと、微調整もしている。若手選手が元気ですが、今平選手を中心にますますツアーが楽しみになってきました」(田島)。

■ジャンボ尾崎らレジェンドたちのような勝ち方を見た

「シーズンも残り6試合ですが、あと最低でも2勝、3勝はするのではないかと思うんです」と田島。今平自身も「まだ勝ちたい」と鼻息は荒い。秋は日本でも有数の名コースで多くのビッグトーナメントが開催される。次週の「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」は世界の青木功が経験してきた海外コースの要素を盛り込み、「世界で戦えるコースセッティングを」とリメイクされたPGMゴルフリゾート沖縄が舞台。さらに翌週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」も世界的なコース設計家のリース・ジョーンズ氏の手が入り、日本のトップコースがさらなる世界基準へと生まれ変わっている。さらには世界ランキング1位になったブルックス・ケプカ(米国)に加えて松山英樹も参戦する「ダンロップフェニックス」も待ち構え、「強くなった今平選手が、このような舞台でどう戦って、どのように世界トップと競っていくかも楽しみになってきました」と田島の期待も膨らむ。

頭角を現してから1勝目までも時間がかかり、2勝目も1年半かかった今平。今回は明らかに勝ちにこだわり、見事に栄冠をつかんだが、その試合運びを見て田島はいう。「こういう勝ち方をされると、2打差、3打差つけてリードしていても分からない。追ってくる今平選手の姿は、ジャンボさんたちが強かったときに重なります。強かった人たちはこういう勝ち方でした。今はバックナインで逆転する人があまりいない。前半で4ストロークの差がついていたのに、それを抜いて勝つのは今までにないパターン。飛び抜けて強いなと思わせる選手がそれほどいない中で、今平選手が新たな姿を見せました」と、強さで相手を威嚇してきた往年のレジェンドたちのような凄みを感じたと田島は話す。
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